日本の至宝と呼べるコレクションー大阪中之島美術館 開館記念展覧会が開催されます

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大阪中之島美術館がようやくオープンします。

大阪市所蔵の6000点のコレクションのために、待たれていた美術館建設は、計画から40年を経て来月オープンを迎えます。

開館記念の展覧会が、「2022年2⽉2⽇(⽔)– 3⽉21⽇(⽉・祝)」の帰還で開催されます。

あいにく、コロナのまん延が最悪となってしまった大阪ですので、楽しみにしていましたが二の足を踏んでいます。

ちょうど10年前に、このコレクションの展覧会を見ましたが、自身で絵を描きだしたのはその後のことですので、もう一度数々の名画を見たい気持ちでいっぱいです。「日時指定事前予約優先」で観覧できるようですので、完全防備で挑戦してみようかとも思っています。

なにはともあれ、コレクションはどこかに売り飛ばされることもなく大阪から流出することもなく、中之島にオープンした新しい美術館に収まることになり喜ばしいことです。多くの名画がいつ訪れても見ることができる「常設」扱いになることを望んでいます。

長きにわたり先人たちが遺された貴重なコレクションで、文楽交響楽団と同じく、大阪の文化の担い手となる親善大使ですから、コロナが終息したら国内はもとより海外からの観光客にも楽しんでいただきたいと思います。

大阪にお越しの節は、大阪の至宝が収まる中之島美術館にぜひ足をお運びください。

大阪中之島美術館 開館記念の展覧会 おもな出品作家

佐伯祐三白隠マリー・ローランサン、キスリング、荻須高徳上村松園、赤松麟作、小出楢重、鍋井克之、小磯良平、北野恒富、島成園、竹内栖鳳、池田遙邨、山沢栄子、前田藤四郎、吉原治良今井俊満

モディリアーニ、キリコ、マックス・エルンストサルバドール・ダリルネ・マグリット、アルベルト・ジャコメッティマーク・ロスコフランク・ステラゲルハルト・リヒタージャン=ミシェル・バスキア草間彌生森村泰昌やなぎみわ杉本博司

ロートレック、ボナール、アルフォンス・ミュシャ、ヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザー、アルヴァ・アアルト亀倉雄策田中一光、早川良雄、ウンベルト・ボッチョーニ、グスタフ・クリムト、ジョエ・コロンボ剣持勇倉俣史朗、レイモン・サヴィニャック、エル・リシツキー、ラースロー・モホイ=ナジ、A.M.カッサンドル

https://nakka-art.jp/exhibition-post/hello-super-collection/

展覧会情報
会期    2022年2⽉2⽇(⽔)– 3⽉21⽇(⽉・祝)
*月曜日休館(3/21を除く)
開催時間    10:00 – 17:00(入場は16:30まで)
会場    ⼤阪中之島美術館 4、5階展⽰室
主催    ⼤阪中之島美術館、NHK⼤阪放送局、NHKエンタープライズ近畿、読売新聞社
協賛    NISSHA
観覧料    日時指定事前予約優先制
一般1,500円(1,300円)
高大生1,100円(900円)
*災害などにより臨時で休館となる場合があります。
*税込み価格。カッコ内は20名以上の団体料金。
*20名以上の団体鑑賞をご希望される場合は事前に団体受付フォームにてお問い合わせください。
*予約不要の当日券(数量限定)も会場(当館チケットカウンター・券売機)でご購入できます。
*日時指定券の販売はご観覧前日までです。
*中学生以下は無料。

 

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映画「オクトパスの神秘 海の賢者は語る」とともに漂う

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誰が言っていたか思い出せないのですが、その信頼すべき誰かがこの映画がいいと言っていたので見る気になりました、NETFLIX製作のドキュメンタリー映画「オクトパスの神秘 海の賢者は語る」

この映画に出演し、ナレーションと撮影(一部)も担当したのが映像作家のクレッグ・フォスター。彼が美しい南アフリカの海の中で出会ったのが一匹のメスのタコ。

映画の中ではずっと「彼女」と呼ばれていたタコ(以下、彼女とします)と、海の底で偶然出会って観察を続けているうちに、彼女の方からクレッグに近づいてくるという奇跡に映画の初めの頃に出会えます。

それ以来、彼女にすっかり取りつかれてしまって毎日素潜りで彼女に会いにいく男の記録映画となっています。

動物ドキュメンタリー大好き人間ですが、全編がタコのエピソードを扱ったドキュメンタリーを見るのは初めてで、賢くて優雅な彼女の生態は実に興味深いものでした。

残念ながらタコの寿命は1年前後のようで、彼女の1年が1時間25分に凝縮された映画となっています。

彼女の生涯は、山あり谷ありのスリリングなもので、意外なごちそうをうまく捕らえて賢く食べたり、逆に捕食動物から食べられそうになったり必死に隠れたりするうえに、カメラを持った中年のヒト科の動物(グレッグは紳士でしたが)にも毎日追っかけられる生涯でした。

ただし彼女は、自分が撮影対象だということを判っていたような名演技を繰り返しました。

ケルプの生い茂る豊かな南アの海中には、美しい自然と魚介類や小動物が存在するのですが、私もその中にどっぷり浸かって漂っている気分でした。

ああいう豊かで美しい海には、物語があり奇跡が起きるのだろうと激しく納得するのでした。とても爽快なドキュメンタリー映画でした。

この作品は2021年にアカデミー賞の長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しています。

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る My Octopus Teacher
監督・脚本    
ピッパ・エアリック
ジェームズ・リード
製作    クレイグ・フォスター(英語版)
製作総指揮    エレン・ワインドマス
音楽    ケヴィン・スマット
撮影    ロジャー・ホロックス
製作会社    配給    Netflix
公開     2020年9月7日
上映時間    85分
製作国    南アフリカ共和国

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今週 書評で取り上げられた本(1/10~1/16 週刊10誌&朝日新聞)全81冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

今週の書評本掲載された媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

週刊朝日「週刊図書館」: 1/21 号 6 冊 
台湾対抗文化紀行 神田桂一、川島小鳥 晶文社 1,870
地上で僕らはつかの間きらめく オーシャン・ヴオン 新潮社 2,420
同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬 早川書房 2,090
話足りなかった日 イ・ラン リトルモア 1,980
独身偉人伝 長山靖生 新潮新書 814
生を祝う 李琴峰 朝日新聞出版 1,760

サンデー毎日「SUNDAY・LIBRARY」: 1/23 号 9 冊 
らんたん 柚木麻子 小学館 1,980
海坂藩に吹く風 藤沢周平を読む 湯川 豊 文藝春秋 1,980
中国料理の世界史 美食のナショナリズムをこえて 岩間一弘 慶應義塾大学出版会 2,750
ビデオランド ダニエル・ハーバート 作品社 3,740
フェイドアウト 日本に映画を持ち込んだ男、荒木和一 東龍造 幻戯書房 1,980
風をこぐ 橋本貴雄 モ・クシュラ 3,520
干し芋の丸かじり 東海林さだお 朝日新聞出版 1,540
ドガ ダンス デッサン ポール・ヴァレリー 岩波文庫 1,485
平成のヒット曲 柴那典 新潮新書 946

女性自身「今週の本」: (今週は休刊) 

女性セブン「セブンズライブラリー」: (今週は休刊) 

週刊現代「日本一の書評」: 1/22 号 7 冊 
ミス・サンシャイン 吉田修一 文藝春秋 1,760
アスベスト 佐伯一麦 文藝春秋 1,980
仁王の本願 赤神諒 KADOKAWA 1,980
ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って 川端裕人 岩波書店 2,970
日本移民日記 MOMENT JOON 岩波書店 1,870
きりきり舞いのさようなら 諸田玲子 光文社 1,760
詩とは何か 吉増剛造 講談社現代新書 1,210

週刊ポスト「ポスト・ブック・レビュー」: (今週は休刊) 

週刊新潮「Bookwormの読書万巻」: 1/20 号 13 冊 
僕は失くした恋しか歌えない 小佐野彈 新潮社 1,925
教育 遠野遥 河出書房新社 1,760
冤罪法廷(上・下) ジョン・グリシャム 新潮文庫 各781
ぼくはテクノロジーを使わずに生きることにした マーク・ボイル 紀伊國屋書店 2,090
アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か これからの経済と女性の話 カトリーン・マルサル 河出書房新社 2,310
ある日 失わずにすむもの 乙川優三郎 徳間文庫 770
風のない日々/少女 野口冨士男 中公文庫 1,100
地方メディアの逆襲 松本創 ちくま新書 946
親しい友人たち (山川方夫ミステリ傑作選) 山川方夫 創元推理文庫 1,100
小津安二郎 晩秋の味 尾形敏朗 河出書房新社 2,475
歓待する文学 小野正嗣 NHK出版 2,090
いつか死ぬ それまで生きる わたしのお経 伊藤比呂美 朝日新聞出版 1,980
孤独の宰相 菅義偉とは何者だったのか 柳沢高志 文藝春秋 1,760

週刊文春「文春図書館」: 1/20 号 10 冊 
失われた岬 篠田節子 KADOKAWA 2,420
ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って 川端裕人 岩波書店 2,970
彼は早稲田で死んだ 大学構内リンチ殺人事件の永遠 樋田毅 文藝春秋 1,980
欺きの仮面 サンドラ・ブラウン 集英社文庫 1,650
冤罪法廷(上・下) ジョン・グリシャム 新潮文庫 各781
すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険 山本健人 ダイヤモンド社 1,870
格差という虚構 小坂井敏晶 ちくま新書 1,210
赤い十字 サーシャ・フィリペンコ 集英社文庫 2,420
反応したら負け 仕事のストレスを受け流す33のヒント カレー沢 薫 PHP研究所 1,210
デカメロン・プロジェクト  パンデミックから生まれた29の物語 マーガレット・アトウッド 河出書房新社 3,135

週刊エコノミスト「Book Review」: 1/18 号 6 冊 
The World 世界のしくみ リチャード・ハース 日本経済新聞出版 2,420
デジタル化時代の「人間の条件」ディストピアをいかに回避するか? 加藤晋, 伊藤亜聖他 筑摩選書 1,760
バチカン大使日記 中村芳夫 小学館新書 946
賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制 今野晴貴 青土社 2,420
ひきこもりの真実 就労より自立より大切なこと 林恭子 ちくま新書 924
ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある パリッコ スタンド・ブックス 1,870

週刊東洋経済「話題の本」: 1/15 号 10 冊 
虚構の森 田中淳夫 新泉社 2,200
情報と国家-憲政史上最長の政権を支えたインテリジェンスの原点 北村滋 中央公論新社 3,300
コロナ戦記 医療現場と政治の700日 山岡淳一郎 岩波書店 1,980
思いがけず利他 中島岳志 ミシマ社 1,760
ペットが死について知っていること 伴侶動物との別れをめぐる心の科学 ジェフリー・M・マッソン 草思社 1,980
SS将校のアームチェア ダニエル・リー みすず書房 4,400
老人支配国家 日本の危機 エマニュエル・トッド 文春新書 935
インド残酷物語 世界一たくましい民 池亀彩 集英社新書 968
宇宙はなぜ美しいのか 究極の「宇宙の法則」を目指して 村山斉 幻冬舎新書 1,320
サウジアラビアイスラーム世界の盟主」の正体 高尾賢一郎 中公新書 902

朝日新聞: 1/15 日 20 冊 
帝国のヴェール 人種・ジェンダー・ポストコロニアリズムから解く世界 荒木和華子 明石書店 3,300
アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か これからの経済と女性の話 カトリーン・マルサル 河出書房新社 2,310
ワクチンの噂 どう広まり、なぜいつまでも消えないのか ハイジ・J・ラーソン みすず書房 3,740
毛沢東の強国化戦略 1949-1976 山口信治 慶應義塾大学出版会 5,940
現代生活独習ノート 津村記久子 講談社 1,815
残月記 小田雅久仁 双葉社 1,815
病んだ言葉 癒やす言葉 生きる言葉 阿部公彦 青土社 2,200
日本の絵本100年100人100冊 広松由希子 玉川大学出版部 7,700
しらふで生きる 大酒飲みの決断 町田康 幻冬舎文庫 737
雪と人生 中谷宇吉 角川ソフィア文庫 880
テヘランでロリータを読む アーザル・ナフィーシー 河出文庫 1,672
旅する小舟 ペーター・ヴァン・デン・エンデ 求龍堂 3,080
一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語 岩田徹 ポプラ新書 990
嘘つきユリコの栄光(1) 田中現兎 講談社 715
この30年の小説、ぜんぶ 読んでしゃべって社会が見えた 高橋源一郎斎藤美奈子 河出新書 1,078
ブルシット・ジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか 酒井隆史 講談社現代新書 1,012
保健所の「コロナ戦記」TOKYO2020-2021 関なおみ 光文社新書 1,210
江戸 齋藤慎一 中公新書 902
教養としての仏教思想史 木村清孝 ちくま新書 1,265
社会システム理論の視座 ニクラス・ルーマン 木鐸社 2,750

以上

素晴らしい雪中写真、3点

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上の画像は、Koichi Nakano@knakano1970さん(中野晃一上智大学国際教養学部教授)のTwitterの写真です。

雪の東京の改修中か何かのビルのなですが、強風を予想してか張られたシートを一旦外してタスキ掛けに固定している風情が、まるでバロック建築のように厳かな雰囲気を醸し出しています。

黒い外壁の建物と窓から漏れるろうそく色の光とが、まるでヨーロッパの協会のようです。パステルカラーの空に突き出た足場のスチール棒も、教会の尖塔のようです。

街の灯りも相まって素晴らしい写真に出来上がってます。

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上は、青森県立美術館奈良美智(よしとも)作品「Miss Forest / 森の子」に積もった雪の写真です。奈良画伯自身のリツイートで出会った写真です。

作品は当然に屋外のオブジェですが、雪に埋もれているのもかかわらず温かい感じがするのがさすがです。

いつか行ってみたい美術館です。

 

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最後は、イナガキヤスト@inagakiyasutoさんがTwitterにアップされていた写真です。このお方はプロの写真家だと思います。

富山の海岸から、遠く白山連峰をバックに撮られた風景写真です。

象徴的な真ん中にある木の上に飛行機が重なったところをパチリと、作品にしあげておられます。

こういうたぐいの海と山の写真を見ると、「富山」を連想してしまうほど、冬の富山の海岸線に押し寄せる白山連峰の迫力は素晴らしいものだと思います。冬の富山にもいつか行ってみたいと思っています。

ということで、偶然に撮れた写真や狙って撮った写真など、雪にまつわる3作品をご紹介しました。

 

問題作「ドント・ルック・アップ」をNETFLIXで鑑賞しました

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映画「ドント・ルック・アップ」NETFLIXで鑑賞した。

NETFLIXが視聴者アンケートをした結果の、年末年始のお勧め一覧にあった映画で、確かに見逃さなくてよかった!と思わせる作品だった。

すばる望遠鏡(ハワイにある国立天文台)で観測を続けているジェニファー・ローレンスが、ある日地球に向かっている彗星を発見する。

彼女の上司であるレオナルド・ディカプリオにそのことを報告し、彗星が地球に衝突するのが6か月後だと算出したふたりは、軍機に乗せられハワイからホワイトハウスメリル・ストリープが大統領)に報告しに行く。

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しかし、自分たちのことをまともに取り合ってくれないホワイトハウスを後にして、ふたりはケイト・ブランシェットが司会をするゴシップ的なニュース・ショーに半ば無理やり出演をねじ込む。しかし、あろうことか世間が最も注目している離婚を発表したばかりの歌手(アリアナ・グランデ)の次に出演することになるのだった。

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このよくできた興味津々の「つかみ」の後、2時間映画はつづくのだが、12月から映画館でも上映されているこの話題作・問題作をご覧になった多くの方はどのような思いなんだろう。

心揺さぶられ涙が出るほど感動するわけでもないし、むしろドタバタ喜劇に近い表現部分が多くを占めるおちゃらけた映画で「なんじゃこりゃ?」とされておしまいになってはいないだろうか。

米国大統領メリル・ストリープと大統領の実の息子(ジョナ・ヒル)の大統領補佐官が侮辱的な天然キャラに描かれており、前アメリカ大統領を茶化した演出なのだろうが、すばる望遠鏡の持ち主である国の首相や首相官邸への強烈な皮肉(「ハードは一流、ソフトは三流」)のようでもある。

6か月後とはいわないまでも、実は60年後くらいに地球に衝突する彗星がすでに発見されていて、地球環境に無頓着な政府首脳たちだけにそのことが知らされているのではないかと疑いたくもなるEU以外の先進各国なのだが、そういうこともこの映画は訴えている。

それにしても、NETFLIXで製作されたことで、豪華な出演者をチョイスできる資金力もさることながら、「何からも自由である」演出で構成された豪奢な作品であることを知らしめられ、もはやハリウッドや従来からの映画産業に多額に資金は向けられなくなるのではないかとも思うきょうこの頃なのだった。

「ドント・ルック・アップ」Don't Look Up
監督・脚本・製作 アダム・マッケイ(「マネー・ショート」2018、「バイス」2018)
出演者    
レオナルド・ディカプリオ
ジェニファー・ローレンス(「ウィンターズ・ボーン」2010、「ジョイ」2015)
ケイト・ブランシェット
ロブ・モーガン
メリル・ストリープ
ジョナ・ヒル(「マネー・ボール」2011)
ティモシー・シャラメ(「君の名前で僕を呼んで」2017)
アリアナ・グランデ
タイラー・ペリー(「ゴーン・ガール」2014)
ロン・パールマン
マーク・ライランス(「ブリッジ・オブ・スパイ」2016)
音楽    ニコラス・ブリテル(「ムーンライト」2016)
配給    Netflix
公開    日本 2021年12月10日(劇場公開)

 

今週 書評で取り上げられた本(12/27~1/9 週刊10誌&朝日新聞+ダ・ヴィンチ)全60冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

今週の書評本掲載された媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

週刊朝日「週刊図書館」: 1/7・1/14 号 1 冊 
白光 朝井まかて 文藝春秋 1,980
 他の書評は、特集「歴史・時代小説ベスト3」のためお休み

サンデー毎日「SUNDAY・LIBRARY」: 1/16 号 9 冊 
失われた岬 篠田節子 KADOKAWA 2,420
聖子 新宿の文壇BAR「風紋」の女主人 森まゆみ 亜紀書房 1,980
夜叉の都 伊藤潤 文藝春秋 2,200
秘闘 私の「コロナ戦争」全記録 岡田晴恵 新潮社 1,760
星新一の思想 予見・冷笑・賢慮のひと 浅羽通明 筑摩選書 2,200
わが夜学生 以倉紘平 編集工房ノア 2,530
町田忍の縁起物のひみつ「福」はいつも隣にいる 町田忍 天夢人 1,980
三十六歌仙 ビギナーズ・クラシックス 吉海直人 角川ソフィア文庫 990
阪神・四番の条件 タイガースはなぜ優勝できないのか 掛布雅之 幻冬舎新書 946

女性自身「今週の本」: 1/18・1/25 号 4 冊 
ミーツ・ザ・ワールド 金原ひとみ 新潮社 1,650
氷点(上・下) 三浦綾子 角川文庫 各704
思慮深いうたた寝 小川洋子 河出書房新社 1,705
最強脳 スマホ脳 ハンセン先生の特別授業 アンデシュ・ハンセン 新潮新書 990

女性セブン「セブンズライブラリー」: 1/20・1/27 号 4 冊 
ひとまず上出来 ジェーン・スー 文藝春秋 1,595
同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬 早川書房 2,090
ノースライト 横山秀夫 新潮文庫 935
鉄道―DVDつき (小学館の図鑑・NEO 25) 長根広和ほか 小学館 2,200

週刊現代「日本一の書評」: 1/8・1/15 号 7 冊 
夜叉の都 伊藤潤 文藝春秋 2,200
ひとりでカラカサさしてゆく 江國香織 新潮社 1,760
マンモスの抜け殻 相場英雄 文藝春秋 1,980
火星の歩き方 臼井寛裕, 野口里奈他 光文社新書 1,078
古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで 柿沼陽平 中公新書 1,056
レイン・ドッグズ エイドリアン・マッキンティ ハヤカワミステリ文庫 1,672
辻政信の真実 失踪60年-伝説の作戦参謀の謎を追う 前田啓介 小学館新書 1,210

週刊ポスト「ポスト・ブック・レビュー」: (今週は休刊) 

週刊新潮「Bookwormの読書万巻」: (今週は休刊) 

週刊文春「文春図書館」: (今週は休刊)

週刊エコノミスト「Book Review」: 1/11 号 8 冊 
みんな政治でバカになる 綿野恵太 晶文社 1,870
広田弘毅 常に平和主義者だった 井上寿一 ミネルヴァ書房 3,850
次はこうなる グラフで読み解く相場の過去、現在、未来 市岡繁男 ICI出版 1,760
教養としてのデジタル講義 今こそ知っておくべき「デジタル社会」の基礎知識 ハル・アベルソン, ケン・リーディン他 日経BP 2,860
経済社会の学び方 健全な懐疑の目を養う 猪木武徳 中公新書 946
ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って 川端裕人 岩波書店 2,970
大人のいじめ 坂倉昇平 講談社現代新書 990
江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ 安藤優一郎 朝日新書 891

週刊東洋経済「話題の本」: 1/8 号 10 冊 
エジプトの空の下 わたしが見た「ふたつの革命」 飯山陽 晶文社 1,760
くらしのアナキズム 松村圭一郎 ミシマ社 1,980
世界「失敗」製品図鑑「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道 荒木博行 日経BP 1,980
戦後日本の中国観-アジアと近代をめぐる葛藤 小野寺史郎 中公選書 1,870
プルトニウム 原子力の夢の燃料が悪夢に フランク・フォンヒッペル 緑風出版 2,860
言葉を失ったあとで 信田さよ子、上間陽子 筑摩書房 1,980
戦後民主主義に僕から一票 内田樹 SB新書 990
最強脳 スマホ脳 ハンセン先生の特別授業 アンデシュ・ハンセン 新潮新書 990
ナチスと鉄道 共和国の崩壊から独ソ戦、敗亡まで 鴋澤歩 NHK出版新書 1,078
江戸の学びと思想家たち 辻本雅史 岩波新書 968

朝日新聞: 1/8 日 16 冊 
三千円の使いかた 原田ひ香 中公文庫 770
ドードーをめぐる堂々めぐり 正保四年に消えた絶滅鳥を追って 川端裕人 岩波書店 2,970
絶滅魚クニマスの発見 私たちは「この種」から何を学ぶか 中坊徹次 新潮選書 1,870
マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦 ベン・メズリック 文藝春秋 2,200
鈴木天眼 反戦反骨の大アジア主義 高橋信雄 あけび書房 2,420
トクヴィルと明治思想史:〈デモクラシー〉の発見と忘却 柳愛林 白水社 3,740
世界を一枚の紙の上に 歴史を変えたダイアグラムと主題地図の誕生 大田暁雄 オーム社 4,950
賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制 今野晴貴 青土社 2,420
賃金破壊 労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子 旬報社 1,650
ヤングケアラー 介護する子どもたち 毎日新聞取材班 毎日新聞出版 1,760
私は男でフェミニストです チェ・スンボム 世界思想社 1,870
あなたに安全な人 木村紅美 河出書房新社 1,837
その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱 高橋久美子 ミシマ社 1,870
鬼憑き十兵衛 大塚已愛 新潮文庫 781
キンドレッド オクテイヴィア・E・バトラー 河出文庫 1,672
破蕾 雲居るい 講談社文庫 704

ダ・ヴィンチ:2月号 今月の絶対はずさない!プラチナ本 1 冊
残月記 小田雅久仁 双葉社 1,815

以上

一穂ミチの「スモールワールズ」にじんわりと圧倒されます

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スモールワールズ    一穂 ミチ  (著) 講談社

一穂ミチの「スモールワールズ」は、直木賞の候補にもなったし、その前から多くの書評に取り上げられていて高い評価を受けていた。「小説現代」に連載された短編が本書として2021年4月に上梓されていて、ようやく年を越して私は読了した。

本書は全6篇からなるが、第1話の「ネオンテトラ」を読んで、いきなり「これはこれは…」とただならぬ気配を感じ、著者の一穂ミチのことを調べたのだった。

著者は大阪に生まれていまだに大阪在住のBL(ボーイズラブ)作家で、一般小説を書いたのは本書がはじめてとのこと。年齢(40代後半か)も本名も顔形も分からないお方だ。

第2話の「魔王の帰還」では、出戻ってきた巨体の姉を中心としたストーリーで、その魔王のような恐怖の姉への弟の毒づきツッコミが可笑しくて、何度も噴出してしまった。さすがは大阪在住で、私と肌合いがピッタリのユーモアセンスである。でも、後半はしんみりとした人間賛歌になる。

そして、第3話は「ピクニック」が、本人の意識しないところで日本推理作家協会賞短編部門にノミネートされたそうだ。

最終話「式日」では、後半に差し掛かったところでハッとさせられうろたえて、もう一度「検証」のために最初から読み直した。

さすがにBL作家だからか若い男がよく書けているけど、おじさんも女たちも素晴らしくて、全6話の「小さな世界」は、それぞれが独特の落ち着いた輝きを放ちつつ、じんわりと読み手を圧倒する。

これでデビューして、次はどうするの?と心配になるが、もう次が出ているようなので読んでみることにする。

著者一穂ミチがお気に入りの小説を挙げていた「一穂ミチさんの読んできた本たち」https://book.asahi.com/article/14396642
では、下に書いたように私が好きな小説がずらりと並んでいて、嬉しくもあり、さもありなんと納得した。

パトリシア・コーンウェル検屍官」シリーズ
高村薫マークスの山』『黄金を抱いて翔べ
夏目漱石硝子戸の中』『行人』『夢十夜
トマス・ハリス羊たちの沈黙
小池真理子『恋』
朝吹真理子『TIMELESS』
イーユン・リー『千年の祈り』
ベルンハルト・シュリンク『朗読者』
村上春樹アンダーグラウンド
桐野夏生『柔らかな頬』『グロテスク』


新年早々良本に出会った、「こいつぁ春から縁起がいいわえ」といった心境である。ぜひ読んでいただきたい一冊であります。