しあわせの径~本とアートと音楽と

読書、アート、音楽、映画・ドラマ・スポーツなどについてさくっと語ります

豊田散歩/豊田市美術館・建物編

豊田市美術館に足を運びました。

常設展を鑑賞しましたが、その前に美術館の建物自体のご紹介します。

名古屋から車で小一時間で到着した豊田市美術館は、隣接の無料駐車場からアプローチしていくと上の画像のような光景が広がります。

建物正面の碧色のファザードがこの美術館の特徴で、やわらかい表情をして私たちを迎え入れてくれます。碧色のスレートはアメリカ産の粘板岩だそうで、素材の色をそのまま生かして縦空間を構成しています。

庭園は広大で、建築物の周辺は垂直方向に伸びた針葉樹と鋼鉄製のオブジェと丸い池が建物を引き立てています。

まだ蕾が固い遅咲きの桜が建物から遠いところに30本ほど植えられていて、あと一カ月後にはピンクの花が満開になっているはずです。

少し小高いところに建築された美術館は、豊田市瀟洒なランドマークになっていると思われます。豊かな暮らしがここにあるようで、うらやましい限りであります。

1995年に開館した豊田市美術館は、美術館建築で名高い谷口吉生の設計。庭園はアメリカのランドスケープ・アーキテクト、ピーター・ウォーカーによるものだそうです。

当館収蔵のすばらしい美術品の紹介は、次の記事に回すことにします。

「人生は戦いなり(黄金の騎士)」クリムト、ピカソなど愛知県美術館の名作コレクション

「人生は戦いなり(黄金の騎士)「」クリムト 1903年作 油彩・テンペラ・金箔、画布 寸法㎝:100.0×100.0

名古屋に滞在中に訪れたのが愛知県美術館

愛知県の美術館を検索していたら名古屋テレビ塔のそばにある当美術館を発見。しかも、洋の東西を問わないコレクションは素晴らしいものだと知りました。

ということで、いま開催中の常設展に足を運びました。

www-art.aac.pref.aichi.jp

上は、クリムトの「人生は戦いなり(黄金の騎士)」というタイトルの作品です。画像で見たことはあったのですが、「まさかここにあるとは」という出会いでした。

クリムトのイメージは、幾何学的な金屏風のような背景に描かれた柔らかな女性なのですが、この「黄金の騎士」はイメージが逆になっています。

騎士がまたがる黒い馬や背景はやわらかくて厚みのあるビロードのようですが、黄金の騎士は金箔で平面的に表現されています。

この騎士は何のためにどこへ向かうのでしょうか。ウィーンで前衛美術のリーダーだったクリムトの当時の矜持が現れているような気がします。まさに「人生は戦いなり」というタイトルをあらわす、120年前の、いろんな意味でカッコいい作品に仕上がっています。

本作は、トヨタ自動車の寄付で美術館が購入したようですが、愛知県にある美術館は資金が潤沢なのか著名な作家の作品が所蔵されていて素晴らしいことになっています。

ということで、以下に貼り付けたピカソ、ミロ、モディリアーニなどの名作も現在展示中で(4月14日まで)、スマホでの撮影も可能です。入場料一般500円、大学生高校生300円、中学生以下無料。

良いお散歩にもなりますので、ぜひお出かけください。

青い肩かけの女   作:ピカソ 制作:1902年 油彩、画布 寸法㎝:60.3×52.4

絵画  作:ミロ 制作:1925年 油彩、画布 寸法㎝:97.0×130.0

カリアティード 作:モディリアーニ 制作:1911-13年 油彩、画布・板 寸法㎝:80.5×45.0

グラスのある静物  作:キルヒナー 制作:1912年 油彩、画布 寸法㎝:100.0×74.0

待つ  作:アンリ・マティス 制作:1921-22年 油彩、画布 寸法㎝:61.0×50.0

No. 114  作:アド・ラインハート 制作:1950年 油彩、画布 寸法㎝:152.4×101.9

コンポジション  作:ニコラ・ド・スター 制作:1948年 油彩、画布 寸法㎝:81.0×60.0

静物L(アマゾーン、能面等)  作:エミール・ノルデ 制作:1915年 油彩、画布 寸法㎝:72.5×87.5

 

如来三尊仏龕 制作年 中国・北魏時代(6世紀) 技法、素材 石造浮彫 寸法㎝:79.0×48.0×13.0

 

今週の書評本 全83冊(2024/3/11~3/17掲載分 週刊9誌&新聞3紙)

毎週日曜日は、この一週間( 3/11~3/17)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。

今週の書評本

*表示凡例
掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数
書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示)

サンデー毎日「遠回りの読書」: 3/24 号 2 冊
タイ飯、沼。 髙田胤臣 晶文社 3,520
パリの「敵性」日本人たち 脱出か抑留か 1940-1946 藤森晶子 岩波書店 2,420

女性自身「今週の本」: 3/26 号 4 冊
K+ICO 上田岳弘 文藝春秋 1,760
暇と退屈の倫理学 國分功一郎 新潮文庫 880
水脈 伊岡瞬 徳間書店 2,090
嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する 山本圭 光文社新書 946

女性セブン
(今週号の書評はお休み)

週刊現代「日本一の書評」: 3/16・3/23 号 6 冊
方舟を燃やす 角田光代 新潮社 1,980
K+ICO 上田岳弘 文藝春秋 1,760
そして誰かがいなくなる 下村敦史 中央公論新社 1,980
なぜ東大は男だらけなのか 矢口祐人 集英社新書 1,089
トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男 児玉博 文藝春秋 1,870
佐々々奈々の究明(上・下) 森泉岳土 小学館 各715

週刊ポスト(今週号はお休み)

週刊新潮「Bookwormの読書万巻」: 3/21 号 12 冊
のち更に咲く 澤田瞳子 新潮社 2,200
アイスネルワイゼン 三木 三奈 文藝春秋 1,980
正しき地図の裏側より 逢崎遊 集英社 1,870
奔流 コロナ「専門家」はなぜ消されたのか 広野真嗣 講談社 1,980
全員“カモ”: 「ズルい人」がはびこるこの世界で、まっとうな思考を身につける方法 ダニエル・シモンズ , クリストファー・チャブリス 東洋経済新報社 1,980
最上階の殺人 アントニイ・バークリー 創元推理文庫 1,100
わからない世界と向き合うために 中屋敷ちくまプリマー新書 880
ケア学 越境するケアへ 広井良典 医学書院 2,530
スパイスハンターの世界カレー紀行 水野仁輔、ジンケ・ブレッソン 産業編集センター 1,870
第三帝国のバンカー ヤルマル・シャハト ヒトラーに政権を握らせた金融の魔術師 ピエール・ボワスリー, フィリップ・ギヨーム他 パンローリング株式会社  4,400
JRプロトタイプ車両ビジュアルガイド レイルウエイズ グラフィック グラフィック社 3,080
紫式部の実像 伊井春樹 朝日選書 1,980

週刊文春「文春図書館」: 3/21 号 10 冊
トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男 児玉博 文藝春秋 1,870
ユーカラおとめ 泉 ゆたか 講談社 1,925
母の最終講義 最相葉月 ミシマ社 1,980
チワワ・シンドローム 大前粟生 文藝春秋 1,650
シャーロック・ホームズの凱旋 森見登美彦 中央公論新社 1,980
訂正する力 東浩紀 朝日新書 935
異国の味 稲田俊輔 集英社 1,650
テレビ局再編 根岸豊明 新潮新書 880
恐るべき緑 ベンハミン・ラバトゥッツ 白水社 2,750
漫画の未来 明日は我が身のデジタル・ディスラプション 小川 悠介 光文社新書 946
パッキパキ北京 綿矢りさ 集英社 1,595
アイスネルワイゼン 三木 三奈 文藝春秋 1,980

週刊エコノミスト「Book Review」: 3/19・3/26 号 6 冊
自治と連帯のエコノミー ロベール・ボワイエ 藤原書店 2,860
マクロ経済動学 景気循環の起源の解明 楡井誠 有斐閣 3,300
渋沢イズムでニッポン元気復活! 三橋規宏 海象社 1,980
自律と自立のまちづくり 元山口県柳井市長 河内山哲朗回顧録 河内山 哲朗 吉田書店 2,970
ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録 西野智彦 岩波新書 1,056
インドの食卓 そこに「カレー」はない 笠井亮平 ハヤカワ新書 1,144

週刊東洋経済「話題の本」: 3/9 号 5 冊
涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって 三浦英之 新潮社 1,925
家を失う人々 最貧困地区で生活した社会学者、1年余の記録 マシュー・デスモンド 海と月社 2,860
副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はある若月澪子 朝日新聞出版 1,650
パリの「敵性」日本人たち 脱出か抑留か 1940-1946 藤森晶子 岩波書店 2,420
MOCT 「ソ連」を伝えたモスクワ放送の日本人 青島顕 集英社 1,980

朝日新聞: 3/16 朝刊 19 冊
経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて 山崎元 Gakken 1,760
死因の人類史 アンドリュー・ドイグ 草思社 4,180
中断される死 現代医療はいかに死に方を複雑にしているか ブレア・ビガム 青土社 2,860
なぜ、無実の人が罪を認め、犯罪者が罰を免れるのか 壊れたアメリカの法制度 ジェド・S・レイコフ 中央公論新社 2,750
ずっと、ずっと帰りを待っていました 「沖縄戦」指揮官と遺族の往復書簡 浜田哲二 新潮社 1,760
ケアの倫理 フェミニズムの政治思想 岡野八代 岩波新書 1,364
中国農村の現在「14億分の10億」のリアル 田原史起 中公新書 1,056
ローマ帝国の誕生 宮嵜麻子 講談社現代新書 1,320
方舟を燃やす 角田光代 新潮社 1,980
口の立つやつが勝つってことでいいのか 頭木弘樹 青土社 1,980
手塚治虫の歴史教室 手塚治虫 いそっぷ社 1,870
芦別 炭鉱〈ヤマ〉とマチの社会史 嶋﨑尚子、西城戸誠、長谷山隆博 寿郎社 4,400
ホントのコイズミさん NARRATIVE 小泉今日子 303BOOKS 1,650
倭寇 わが天地は外海にあり 髙橋直樹 潮文庫 1,045
悪将軍暗殺 武川佑 文春文庫 957
不疑 葉室麟短編傑作選 葉室麟 角川文庫 792
地獄の三十路録 1 結木万紀子 KADOKAWA 836
つかこうへい正伝Ⅱ1982-1987 知られざる日々 長谷川康夫 大和書房 3,300
MAGNUM MAGNUM 増補改訂版 ブリジット・ラルディノワ 青幻舎 22,000

毎日新聞: 3/16 朝刊 8 冊
失敗のクィアアート 反乱するアニメーション ジャック・ハルバースタム 岩波書店 3,960
町の本屋という物語 定有堂書店の43年 奈良敏行、三砂慶明 作品社 2,420
漫画家が見た 百年前の西洋 近藤浩一路「異国膝栗毛」の洋行 和田博文 筑摩選書 1,870 
医療とは何か 音・科学そして他者性 方波見康雄 藤原書店 2,970
アーサー・マッケン自伝 アーサー・マッケン 国書刊行会 4,950
老人と海 ヘミングウェイ 新潮文庫 572
みなさんのおかげです 木梨憲武自伝 木梨憲武 小学館 2,200
ジェンダー・クライム 天童荒太 文藝春秋 1,870

読売新聞: 3/17 朝刊 9 冊
外事警察秘録 北村滋 文藝春秋 1,760
新訳 平和の経済的帰結 ジョン・メイナード・ケインズ 東洋経済新報社 2,640
夜更かしの社会史 安眠と不眠の日本近現代 近森高明、右田裕規 吉川弘文館 4,180
ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか ジョージナ・スタージ 集英社 2,640
みんなこわい話が大すき 尾八原ジュージ KADOKAWA 1,760
対怪異アンドロイド開発研究室 饗庭淵 KADOKAWA 1,634
歴史としての二十世紀 高坂正堯 新潮選書 1,760
Science Fictions あなたが知らない科学の真実 スチュアート・リッチー ダイヤモンド社 2,090
月の雫 中村稔 青土社 2,200

以上

名古屋散歩・熱田神宮

名古屋に来ていて、はじめての熱田神宮で森林浴をしました。天気は快晴。

近くで「ひつまぶし」を食べるために予約をしたのですが、それまでのひまつぶしと散歩のノルマ達成のために訪れました。参拝の人には私たちのような人も少なくないかもしれません。

海外からの観光客も、ベンチに腰掛けて日光浴をしたり、くつろいでいました。

池の前のベンチでは、弁当を食べるインド人といま知り合ったばかりのドイツ人(どちらも男性)が何やらお話をしていました。自己紹介をしていたのでその情報が分かったのですが、二人とも日本で働いているような雰囲気でした。

中国(か台湾)からの団体客も少なからずいましたが、彼らの中国語の発声が少しうるさい感じもするのですが、私には意味のない音なので何のストレスも感じませんでした。

それにしても熱田の杜は壮大で、市長が木を伐ったりしないように、このままずっと市民や観光客の憩いの場所になりますように、と心の中で祈っていました。

 

今週の書評本 全101冊(2024/3/4~3/10掲載分 週刊9誌&新聞3紙+クロワッサン+ダ・ヴィンチ+サライ)

毎週日曜日は、この一週間(3/4~3/10)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。

今週の書評本

*表示凡例
掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数
書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上を表示)

サンデー毎日「遠回りの読書」: 3/17 号 2 冊
みんなの〈青春〉思い出語りの50年史 石岡学 生きのびるブックス 2,310
「冒険・探検」というメディア 戦後日本の「アドベンチャー」はどう消費されたか 高井昌吏 法律文化社 3,630

女性自身「今週の本」: 3/19 号 4 冊
川のある街 江國香織 朝日新聞出版 1,870
去年の冬、きみと別れ 中村文則 幻冬舎文庫 506
ブラック・ショーマンと覚醒する女たち 東野圭吾 光文社 1,980
みどりいせき 大田ステファニー歓人 集英社 1,870

女性セブン「セブンズライブラリー」: 3/21 号 5 冊
いつも心にケセラセラ 真矢ミキ 産業編集センター 2,090
成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 新潮社 1,760
冬に子供が生まれる 佐藤正午 小学館 1,980
月下のサクラ 柚月裕子 徳間文庫 902
百人一首 編纂がひらく小宇宙 田淵句美子 岩波新書 968

週刊現代 (今週号はお休み)

週刊ポスト「ポスト・ブック・レビュー」: 3/22 号 10 冊
八秒で跳べ 坪田侑也 文藝春秋 1,870
街場の米中論 内田樹 東洋経済新報社 1,760
本居宣長から教育を考える: 声・文字・和歌 榎本恵理 ぺりかん社 4,180
夜露がたり 砂原浩太朗 新潮社 1,925
鳥人額賀澪 光文社 1,760
当事者たちの証言で追う 北朝鮮拉致問題の深層 鈴木拓朝日新聞出版 1,870
コーリング・ユー 永原皓 集英社文庫 770
僕の神さま 芦沢央 角川文庫 814
人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 熊代亨 ハヤカワ新書 1,078
ウマは走る ヒトはコケる-歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学 本川達雄 中公新書 1,100

週刊新潮「Bookwormの読書万巻」: 3/14 号 12 冊
夜露がたり 砂原浩太朗 新潮社 1,925
この村にとどまる マルコ・バルツァーノ 新潮クレスト・ブックス 2,365
ここはすべての夜明けまえ 間宮改衣 早川書房 1,430
松本清張の昭和史 保阪正康 中央公論新社 2,420
散歩哲学 よく歩き、よく考える 島田雅彦 ハヤカワ新書 1,078
知能侵蝕 1 林譲治 ハヤカワ文庫JA 1,100
漫画の未来 明日は我が身のデジタル・ディスラプション 小川悠介 光文社新書 946
猫語の教科書 ポール・ギャリコ ちくま文庫 660
カワセミ都市トーキョー「幻の鳥」はなぜ高級住宅街で暮らすのか 柳瀬博一 平凡社新書 1,210
物語としての旧約聖書 人類史に何をもたらしたのか 月本 昭男 NHKブックス 1,980
所有論 鷲田清一 講談社 3,300
聞き出す力 FINAL 吉田 豪 ホーム社 1,540

週刊文春「文春図書館」: 3/14 号 10 冊
秘密の花園 朝井まかて 日本経済新聞出版 2,200
顔に取り憑かれた脳 中野珠実 講談社現代新書 1,078
ガザとは何か パレスチナを知るための緊急講義 岡真理 大和書房 1,540
燎原の死線(上・下) ライアン・ステック 扶桑社 各1,430
内なる罪と光 ジョアン・トンプキンス ハヤカワミステリ文庫 1,848
さみしい夜にはペンを持て 古賀史健、ならの ポプラ社 1,650
韓国建国に隠された左右対立悲史 1945年、26日間の独立 吉倫亨 株式会社ハガツサ 2,750
みどりいせき 大田ステファニー歓人 集英社 1,870  ④
なぜ『異世界もの』の主人公には男友達がいないのか? 小林奨 彩図社 1,430
はじめから国宝、なんてないのだ。 感性をひらいて日本美術を鑑賞する 小林泰三新月ゆき 光文社 1,760

週刊エコノミスト「Book Review」: 3/12 号 6 冊
低PBR株の逆襲 菊地正俊 日本実業出版社 1,870
台湾の半世紀 民主化と台湾化の現場 若林正丈 筑摩選書 2,090
すくえた命 太宰府主婦暴行死事件 テレビ西日本 塩塚陽介 幻冬舎 1,870
中小企業・スタートアップを読み解く: 伝統と革新,地域と世界 加藤厚海, 福嶋路 有斐閣 2,640
罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法 小林祐児 インターナショナル新書 1,012
戦狼中国の対日工作 安田峰俊 文春新書 1,045

週刊東洋経済「話題の本」: 3/2 号 6 冊
いのちの言の葉 やまゆり園事件・植松聖死刑囚へ生きる意味を問い続けた60通 最首悟 春秋社 1,980
民主主義へのオデッセイ 私の同時代政治史 山口二郎 岩波書店 3,410
なぜ日本は原発を止められないのか? 青木美希 文春新書 1,210
「働き手不足1100万人」の衝撃 古屋星斗、リクルートワークス研究所 プレジデント社 1,750
経済学オンチのための現代経済学 ダイアン・コイル 筑摩書房 2,860
行為主体性の進化 生物はいかに「意思」を獲得したのか マイケル・トマセロ 白揚社 3,410

朝日新聞: 3/9  朝刊 15 冊
隆明だもの ハルノ宵子 晶文社 1,870
温泉旅行の近現代 高柳友彦 吉川弘文館 1,870
戦後政治と温泉 箱根、伊豆に出現した濃密な政治空間 原武史 中央公論新社 2,200
暴力とポピュリズムアメリカ史 ミリシアがもたらす分断 中野博文 岩波新書 1,034
ハリケーンの季節 フェルナンダ・メルチョール 早川書房 3,410
うつ病 隠された真実 逃れるための本当の方法 ヨハン・ハリ 作品社 3,520
科博と科学 地球の宝を守る 篠田謙一 ハヤカワ新書 1,056
中学数学で磨く数学センス 数と図形に強くなる新しい勉強法 花木良 講談社ブルーバックス 1,100
戦争語彙集 オスタップ・スリヴィンスキー 岩波書店 2,200
著作権はどこへいく? 活版印刷からクラウドポール・ゴールドスタイン 勁草書房 3,300
カワセミ都市トーキョー「幻の鳥」はなぜ高級住宅街で暮らすのか 柳瀬博一 平凡社新書 1,210
最後の適当日記(仮) 高田純次 ダイヤモンド社 1,430
夏目漱石ファンタジア 零余子 ファンタジア文庫 792
お梅は呪いたい 藤崎翔 祥伝社文庫 792
スペース金融道 宮内悠介 河出文庫 968

毎日新聞: 3/9  朝刊 8 冊
脳を開けても心はなかった 正統派科学者が意識研究に走るわけ 青野由利 築地書館 2,640
悪なき殺人 コラン・ニエル 新潮文庫 935
冬に子供が生まれる 佐藤正午 小学館 1,980
「むなしさ」の味わい方 きたやまおさむ 岩波新書 1,012
エラスムス 闘う人文主義高階秀爾 筑摩選書 1,760
洟をたらした神 吉野せい 中公文庫 692
推し問答!あなたにとって「推し活」ってなんですか? 藤谷千明 東京ニュース通信社 1,650
分断されないフェミニズム ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる 荒木菜穂 青弓社 2,640

読売新聞: 3/10  朝刊 9 冊
森林通信 鷗外とベルリンに行く 伊藤比呂美 春陽堂書店 1,980
戦史の余白 三十年戦争から第二次大戦まで 大木毅 作品社 2,200
心理学を遊撃する 再現性問題は恥だが役に立つ 山田祐樹 ちとせプレス 2,860
マーリ・アルメイダの七つの月(上・下) シェハン・カルナティラカ 河出書房新社 2,970、3,080
冷戦史(上・下) 青野利彦 中公新書 990、968
ルソーからの問い、ルソーへの問い 実存と補完のはざまで 熊谷英人 吉田書店 4,180
エルメス スカーフの魅力とその物語 ライア・ファラン・グレイヴス 原書房 3,850
みどりいせき 大田ステファニー歓人 集英社 1,870
世界奇想美術館 異端・怪作・贋作でめぐる裏の美術史 エドワード・ブルック=ヒッチング 日経ナショナルジオグラフィック社 3,850

クロワッサン「BOOK」: 3/25 号 8 冊
中村文則 講談社 1,540
蛸足ノート 穂村弘 中央公論新社 1,980
二人キリ 村山由佳 集英社 2,310
オリンピア デニス・ボック 北烏山編集室 2,750
人間国宝という生き方: 工芸の匠30人 渡辺紀子 淡交社 3,520
小山さんノート 小山さんノートワークショップ エトセトラブックス 2,640
歩山録 上出遼平 講談社 1,870
注文に時間がかかるカフェ たとえば「あ行」が苦手な君に 大平一枝 ポプラ社 1,980

ダ・ヴィンチ  4月 号 6 冊
「今月の絶対はずさない!プラチナ本」
パッキパキ北京 綿矢りさ 集英社 1,595
「こんげつのブックマークEX」
板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh 原田 マハ 幻冬舎 1,760
殺める女神の島 秋吉 理香子 KADOKAWA 1,760
国歌を作った男 宮内 悠介 講談社 1,980
東京都同情塔 九段理江 新潮社 1,870
令和元年の人生ゲーム 麻布競馬場 文藝春秋 1,650

サライ 4月号
(今月号の書評はお休み)

以上

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みどりいせき [ 大田 ステファニー 歓人 ]
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今週の書評本 全93冊(2024/2/26~3/3 掲載分 週刊9誌&新聞3紙)

毎週日曜日は、この一週間(2/26~3/3)に週刊誌や新聞などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPなどをご覧ください。

今週の書評本

*表示凡例
掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数
書籍タイトル 著者.編者 出版社 税込価格 書評掲載回数(②回以上のもの)

サンデー毎日「遠回りの読書」: 3/10 号 2 冊
ビル・エヴァンス 孤高のジャズ・ピアニスト 河出書房新社河出書房新社 2,420
なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきた 養老孟司 中央公論新社 1,540

女性自身「今週の本」: 3/12 号 4 冊
風に立つ 柚木裕子 中央公論新社 1,980
水車小屋のネネ 津村記久子 毎日新聞出版 1,980
耳は悩んでいる 小島博己 岩波新書 1,056
在宅緩和ケア医が出会った 「最期は自宅で」30の逝き方 髙橋浩一 光文社新書 924

女性セブン「セブンズライブラリー」: 3/14 号 4 冊
シャーロック・ホームズの凱旋 森見登美彦 中央公論新社 1,980
ジェンダー・クライム 天童荒太 文藝春秋 1,870
なんていいひ リチャード・ジャクソン, スージー・リー 小学館 1,980
挿絵画家 風間完和文学を輝かせ、美人画を描き続けた人生 風間研 平凡社 2,970

週刊現代「日本一の書評」: 3/9 号 6 冊
冬に子供が生まれる 佐藤正午 小学館 1,980
のち更に咲く 澤田瞳子 新潮社 2,200
ラストコールの殺人鬼 イーロン・グリーン 亜紀書房 2,970
モフモフはなぜ可愛いのか 動物行動学でヒトを解き明かす 小林朋道 新潮新書 880
虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督 村瀬秀信 集英社 1,980
7月のダークライルー・バーニー ハーパーBOOKS 1,230

週刊ポスト「ポスト・ブック・レビュー」: 3/8・3/15 号 10 冊
帝国妖人伝 伊吹亜門 小学館 1,870
だれか、来る ヨン・フォッセ 白水社 2,530
構造と力 記号論を超えて 浅田彰 中公文庫 1,100
K+ICO 上田岳弘 文藝春秋 1,760
川のある街 江國香織 朝日新聞出版 1,870
虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督 村瀬秀信 集英社 1,980
ミトンとふびん 吉本ばなな 幻冬舎文庫 693
暗殺者 安生正 徳間文庫 957
世界のロシア人ジョーク集 早坂隆 中公新書ラクレ 990
商店街の復権 歩いて楽しめるコミュニティ空間 広井良典 ちくま新書 1,320

週刊新潮「Bookwormの読書万巻」: 3/7 号 11 冊
涙にも国籍はあるのでしょうか 津波で亡くなった外国人をたどって 三浦英之 新潮社 1,925
ロゴスと巻貝 小津夜景 アノニマ・スタジオ 1,980
ミノタウロス現象 潮谷験 KADOKAWA 2,145
常設展へ行こう 奥野武範 左右社 2,750
仕事の辞め方 鈴木おさむ 幻冬舎 1,650
鷲か太陽か? オクタビオ・パス 岩波文庫 792
世界は経営でできている 岩尾俊兵 講談社現代新書 990
衣巻省三作品集 街のスタイル 衣巻省三山本善行 国書刊行会 3,850
おかしゅうて、やがてかなしき 映画監督・岡本喜八と戦中派の肖像 前田啓介 集英社新書 1,485
クリスティを読む! ミステリの女王の名作入門講座 大矢博子 東京創元社 1,980
漫画を描く 凜としたヒロインは美しい 里中満智子 中央公論新社 1,760

週刊文春「文春図書館」: 3/7 号 10 冊
世界から青空がなくなる日 自然を操作するテクノロジーと人新世の未来 エリザベス・コルバート 白揚社 2,970
火山に馳す 浅間大変秘抄 赤神諒 KADOKAWA 2,090
八秒で跳べ 坪田侑也 文藝春秋 1,870
帝国妖人伝 伊吹亜門 小学館 1,870
奇岩館の殺人 高野結史 宝島社文庫 840
旬のカレンダー 旬の暮らしをたのしむ会 ダイヤモンド社 1,694
王朝和歌、こんなに面白い 中原文夫 作品社 1,760
限界分譲地 繰り返される野放図な商法と開発秘話 吉川祐介 朝日新書 957
日本哲学入門 藤田正勝 講談社現代新書 1,100
ロボットの夢の都市 ラヴィ・ティドハー 東京創元社 2,640

週刊エコノミスト「Book Review」: 3/5 号 7 冊
ナショナリズム入門 リア・グリーンフェルド 慶應義塾大学出版会 2,970
めくるめく数学。 嶽村智子 , 大山口菜都美 , 酒井祐貴子 明日香出版社 1,760
不完全な司書 青木海青子 晶文社 1,870
副業おじさん 傷だらけの俺たちに明日はある若月澪子 朝日新聞出版 1,650
絶対に失敗しない! 中古マンションの見極め方 日下部理絵,高橋正典 他 ビジネス教育出版社 1,650
『RRR』で知るインド近現代史 笠井亮平 文春新書 1,100
西洋の鍵 4千年の歴史にみるすぐれた機能とデザイン ジャン=ヨーゼフ・ブルンナー グラフィック社 2,970

週刊東洋経済「話題の本」: 2/24 号 6 冊
韓国建国に隠された左右対立悲史 1945年、26日間の独立 吉倫亨 株式会社ハガツサ 2,750
人種差別主義者たちの思考法 黒人差別の正当化とアメリカの400年 イブラム・X・ケンディ 光文社 5,500
ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録 西野智彦 岩波新書 1,056
10代からの政治塾 子どもも大人も学べる「日本の未来」の作り方 泉房穂 KADOKAWA 1,650
極東のシマフクロウ 世界一大きなフクロウを探して ジョナサン・C・スラート 筑摩書房 3,300
小山さんノート 小山さんノートワークショップ エトセトラブックス 2,640

朝日新聞: 3/2 朝刊 17 冊
構造と力 記号論を超えて 浅田彰 中公文庫 1,100
冬に子供が生まれる 佐藤正午 小学館 1,980
シェフ ゴーティエ・バティステッラ 東京創元社 2,750
チャップリンアヴァンギャルド 大野裕之 青土社 2,640
深海ロボット、南極へ行く 極地探査に挑んだ工学者の700日 後藤慎平 太郎次郎社エディタス 2,090
ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢 松岡かすみ 朝日新書 957
食べものから学ぶ現代社会 私たちを動かす資本主義のカラク平賀緑 岩波ジュニア新書 1,034
日本思想史と現在 渡辺浩 筑摩選書 2,090
頭のうえを何かが 岡崎乾二郎 ナナロク社 2,530
死刑囚になったヒットマン 「前橋スナック銃乱射事件」実行犯・獄中手記 山本浩輔 文藝春秋 1,650
中森明菜の音楽 1982-1991 スージー鈴木 辰巳出版 1,650
7月のダークライルー・バーニー ハーパーBOOKS 1,230
検察官の遺言 紫金陳 ハヤカワミステリ文庫 1,232
黄土館の殺人 阿津川辰海 講談社タイガ 1,320
わたしの証拠(1) カレー沢薫 小学館 1,100
「日本語」の文学が生まれた場所 極東20世紀の交差点 黒川創 図書出版みぎわ 3,960
ヘンな矢印標識 君たちはどう進むか 山﨑賀功 自由国民社 1,595

毎日新聞: 3/2 朝刊 7 冊
シモーヌ・ヴェイユ「歓び」の思想 鈴木順藤原書店 3,960
化学の授業をはじめます。 ボニー・ガルマス 文藝春秋 2,750
村上春樹研究 サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学 横道誠 文学通信 3,300
矛盾の水害対策 公共事業のゆがみを川と森と人のいとなみからただす 谷誠 新泉社 2,750
生物から見た世界 ユクスキュル, クリサート 岩波文庫 858
鬱の本 点滅社編集部 点滅社 1,980
ソング&セルフ 音楽と演奏をめぐって歌手が考えていること イアン・ボストリッジ アルテスパブリッシング 2,860

読売新聞: 3/3 朝刊 9 冊
風に立つ 柚木裕子 中央公論新社 1,980
道長ものがたり「我が世の望月」とは何だったのか 山本淳子 朝日新聞出版 1,870
ラストエンペラー 楡周平 KADOKAWA 1,980
時評書評 忖度なしのブックガイド 豊﨑由美 教育評論社 1,980
玄奘三蔵がつなぐ中央アジアと日本 近本謙介、影山悦子 臨川書店 5,940
顔に取り憑かれた脳 中野珠実 講談社現代新書 1,078
成瀬は信じた道をいく 宮島未奈 新潮社 1,760
ヒッタイト帝国「鉄の王国」の実像 津本英利 PHP新書 1,265
タロットの美術史〈1〉愚者・奇術師 鏡リュウジ 創元社 1,650 

以上

 

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万城目学の「八月の御所グラウンド」に胸が熱くなりました

八月の御所グラウンド   万城目学   文藝春秋

第170回(2023年下半期)の直木賞を受賞した、万城目学の「八月の御所グラウンド」を読みました。

本書には「十二月の都大路上下(カケ)ル」「八月の御所グラウンド」というタイトルの二編が納められています。

それぞれの篇の紹介は、
《女子全国高校駅伝――都大路ピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは--》
と宣伝文句にあります。

万城目作品は初読みですが、「プリンセス トヨトミ」など彼のこれまでの作品は映像化もされているので、彼はいまや安定期の中堅作家の域に達しているのではないかと思っていました。

6回の候補を経て直木賞作家になったわけで、落選を重ねてきた残念賞とか文壇への貢献度も加味されての受賞かと思いきや、本書を読了してそれは大変失礼な思い違いをしていたと反省しています。

「十二月の都大路上下(カケ)ル」は、私の大好きな京都での駅伝のお話でとても楽しめました。私のような初読み読者は「はーなるほど、万城目はこういう幻想的な要素を入れる作家なのか?」という免疫ができ、二編目の「八月の御所グラウンド」を楽しむための準備運動にもなるのでした。

そして真打の「八月の御所グラウンド」を読み始めて、この「御所グラウンドでの草野球は面白いのか?楽しいのか?」という展開がしばらく続きましたが、9回を戦う野球に例えると「3回裏」あたりから面白くなってきます。

そして、頁が進んで「8回表」くらいから感動的な展開になっていきます。

ファンタジー要素のある面白い草野球でありつつ、タイトルでもある「八月」と「京都」に秘められたいくつかの要素に胸が熱くなります。

ネタバレにならないようにもう少し言うと、ある史実について、私が子どもの頃からずっと変わらず持っている「痛恨」で「残念」な気持ちをこの小説が代弁してくれていて、慰安を与えてくれていて、目頭と胸がさらに熱くなるのでした。

著者に「八月の御所グラウンド」を映像化したいと希望してきても、断ってほしいと思います。なんとなくですが、「8回から9回」が持つ重みを理解してきちんと描ける制作陣(脚本家や演出家など)がいないように思うからです。

最後の数頁に表現された主人公たち二人のセリフの重みを、多くの読者に文字を通して感じてほしいと思います。