しあわせの径~本とアートと音楽と

読書、アート、音楽、映画・ドラマ・スポーツなどについてさくっと語ります

ジョン・グリシャムの「無実」が扱った事件のドキュメンタリーを見ました

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アメリカはオクラホマ州アイダという町で、1982年に相次いで起きた若い女性の殺人事件を扱ったドキュメンタリー「無実 The Innocent Man」をNetflixで見ました。

この事件を扱った、ジョン・グリシャムが書いた「無実」というノンフィクションを私はかつて読んでいました。

本作は、ジョン・グリシャムをはじめ、無実の被告や無実の被告をでっち上げた検察官や警察関係や、裁判官や弁護士や真相を究明しようとするジャーナリストたちなど登場人物がすべて動画で登場します。グリシャムの原作はほぼ忘れていましたので、と手見興味深く鑑賞しました。

「検察や警察によって民主主義は破壊される」と最近誰かが言っていた気がしますが、まさにアイダの検察官と警察はこのことを実践していて、そのことを世に知らしめたのが、グリシャムとこのドキュメンタリーの制作者であります。

ビル・ピータースンという検察官は、グリシャムの「無実」の内容について名誉棄損の裁判を起こしましたが、グリシャムの主張を覆す証拠が見つからないまま訴訟を取り下げたという情けない結果についても、グリシャムの口から語られています。

犯人の取り調べ映像や、裁判の映像をはじめ、多くの証言者が登場しますが、「だれがウソをついているか・だれが正義漢か」というのは「表情や目の動きや落ち着き度」などで視聴者に伝わってきますが、実際の裁判での陪審員はどうだったのでしょうか。

 

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女性二人の殺害について、それぞれ4人の被告が裁判にかけられました。死刑判決を受けた元MLBの選手ロン・ウィリアムソン(上の画像右のスーツ姿の人物)は、あろうことか死刑執行の5日前にDNA鑑定による無実の再審判決を受けたのでした。

この恐ろしいでっち上げ逮捕事件は、1982年の米国の田舎町だけの話ではなく、その後の、たとえば日本の検察による不当逮捕にも見られる現象であることを再認識するものであります。

ということで、2008年に書いたジョン・グリシャムの「無実」の記事をここに再掲します。ロンの無実に至るまでの経緯の説明もしています。本書はAmazonでは中古本のみの取り扱いとなっています。

 

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無実 (上・下)  ジョン・グリシャム (著)  白石朗(訳)(ゴマ文庫)

 「無実」は、オクラホマ州のエイダという町で実際にあった冤罪事件の、ノンフィクションである。グリシャム、最初で最後のノンフィクション作品である。

 やるせなくなるほど無能な警察官たちと、腹立たしいほどずさんで差別的な検察官と、涙が出るほど怠惰な科学捜査官たちと、想像力のまったく働かない裁判官と、公選という宿命と信じ難いほど低い報酬に支配され手足の利かなくなった弁護人。

 たまたま、エイダという町にはこういう人種が集まって、裁判を繰り広げているのか、アメリカ南部の田舎町では何の不思議もない一般的なことなのか。いずれにしても、恐ろしい裁判の記録が、グリシャムのペンによって白日のもとにさらされた。

 スポーツ万能の元野球選手であったロンというエイダの町の名誉ある青年は、MLB選手の夢が破れたことで酒に溺れ、粗暴だということで目をつけられ、無実の罪で死刑囚にされてしまった。

 その公判の模様から、彼の生還までの12年間の記録を、粘り強く追った力作である。

 ロンの無実を証明するために奔走した弁護士集団は、イノセント・プロジェクトという正義のNGO。彼らは、DNA鑑定を武器にすでに200人を超える無実の人を救出した。この事実は、いかにずさんな冤罪事件が多発しているか、米国の実態を物語っている。

 か弱い自由市民である私たちも、ずさんな捜査と自白強要のセットメニューによる冤罪事件は、日本においてもあとを絶たないことを認識すべきであろう。

 さて、アメリカ南部の冤罪と聞けば、人種差別を連想されるかもしれないが、登場人物はすべて白人たちで、被害者以外はすべて実名で登場する。(私なら登場したくない)

 ロンを貶めたビル・ピータースンという救いようのない検察官は、この作品の作者のグリシャムや、正義感あふれるイノセント・プロジェクトを、名誉毀損で訴えており、その公判も興味深いことである。

 このベスト・セラーは、ジョージ・クルーニーが映画権を買い取ったと伝えられている。憎きビル・ピータースンは誰が演じるのだろう。クルーニー自身でもいいかもしれない。

 

今週 書評で取り上げられた本(7/19~7/25 週刊10誌&朝日新聞)全79冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

 今週の書評本媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

朝日新聞:7月24日 19冊
スモールワールズ 一穂ミチ 講談社 1,650
宇宙からの帰還-新版 立花隆 中公文庫 946
臨死体験(上・下) 立花隆 文春文庫 各913
天皇と東大 Ⅰ 大日本帝国の誕生 立花隆 文春文庫 785
帰還兵の戦争が終わるとき 歩き続けたアメリカ大陸2700マイル トム・ヴォス, レベッカ・アン・グエン 草思社 2,200
ギャンブリング害 貪欲な業界と政治の欺瞞 キャシディ レベッカ ビジネス教育出版社 2,420
モダン語の世界へ 流行語で探る近現代 山室信一 岩波新書 1,144
アメリカ社会の人種関係と記憶 歴史との対話 樋口映美 彩流社 4,950
ホワイト・フラジリティ 私たちはなぜレイシズムに向き合えないのか? ロビン・ディアンジェロ 明石書店 2,750
中世哲学講義 全五巻 山田晶 知泉書館 4,400
決定版 HONZが選んだノンフィクション 成毛眞・編 中公新書 1,980
ラジオの残響 ヘビーリスナー聴く語り記 川野将一 双葉社 3,300
生命海流 GALAPAGOS 福岡伸一 朝日出版社 2,090
声をあげます チョン・セランの本 チョン・セラン 亜紀書房 1,760
黒牢城 米澤穂信 KADOKAWA 1,760
沼で溺れてみたけれど ひらりさ 講談社 1,540
見知らぬ人 エリー グリフィス 創元推理文庫 1,210
ケルトン・キー 道尾秀介 角川文庫 704
火のないところに煙は 芦沢央 芦沢央 新潮文庫 649

週刊新潮:7/29号 14冊
偽史の帝国 "天皇の日本"はいかにして創られたか 藤巻一保 アルタープレス 2,420
芥川賞候補傑作選 平成編2 1995-2002 鵜飼哲夫・編 春陽堂書店 1,980
invert 城塚翡翠倒叙 相沢沙呼 講談社 1,925
南極探検とペンギン 忘れられた英雄とペンギンたちの知られざる生態 ロイド・スペンサー・デイヴィス 青土社 3,080
わたしはイモムシ 桃山鈴子 工作舎 4,180
夏への扉 ロバート・A・ハインライン ハヤカワ文庫SF 924
時の他に敵なし マイクル・ビショップ 竹書房文庫 1,540
時間旅行者のキャンディボックス ケイト・マスカレナス 創元SF文庫 1,430
その病気、市販薬で治せます 久里建人 新潮新書 924
痴人の愛 谷崎潤一郎 谷崎潤一郎 中公文庫 880
会計の神様が教えてくれたお金のルール 天野敦之 日本実業出版社 1,540
作家と犬 平凡社編集部・編 平凡社 2,090
町田忍の昭和遺産100 令和の時代もたくましく生きる 町田忍 天夢人 1,980
中国共産党、その百年 石川禎浩 筑摩書房 1,980

女性セブン:(今週は休刊)

週刊文春:7/29号 14冊
むずかしい天皇 大澤真幸, 木村草太 晶文社 1,980
江戸彩り見立て帖 色にいでにけり 坂井希久子 文春文庫 781
ジェンダーで見るヒットドラマ 韓国 アメリカ 欧州 日本 治部れんげ 光文社新書 1,034
チェスナットマン セーアン・スヴァイストロプ ハーパーBOOKS 1,430
鬼火(上・下) マイクル・コナリー 講談社文庫 各990
ぼく モグラ キツネ 馬 チャーリー・マッケジー 飛鳥新社 2,200
最悪の予感 パンデミックとの戦い マイケル・ルイス 早川書房 2,310
捕食者 全米を震撼させた、待ち伏せする連続殺人鬼 モーリーン・キャラハン 亜紀書房 2,420
ノスタルジーはスーパーマーケットの2階にある パリッコ スタンド・ブックス 1,870
ブラザーズ・ブラジャー 佐原ひかり 河出書房新社 1,672

女性自身:(今週は休刊)

サンデー毎日:8/1号 11冊
ショローの女 伊藤比呂美 中央公論新社 1,650
赤の呪縛 堂場瞬一 文藝春秋 2,035
お寺の日本地図 名刹古刹でめぐる47都道府県 鵜飼秀徳 文春新書 1,100
70歳が老化の分かれ道 和田秀樹 詩想社新書 1,100
宗棍 今野敏 集英社 2,090
ウミガメは100キロ沖で恋をする 菅沼弘行 方丈社 1,650
幻の弦楽器 ヴィオラ・アルタを追い求めて 平野真敏 河出書房新社 1,991
コブのない駱駝 きたやまおさむ「心」の軌跡 きたやまおさむ 岩波現代文庫 1,296
戦前昭和の猟奇事件 小池新 文春新書 968
幻燈記 榎本了壱 而立書房 1,760
ナインストーリーズ 乙川優三郎 文藝春秋 1,650

週刊朝日:7/30号 5冊
朔が満ちる 窪美澄 朝日新聞出版 1,870
盆踊りの戦後史 「ふるさと」の喪失と創造 大石始 筑摩選書 1,760
ツボちゃんの話 夫・坪内祐三 佐久間文子 新潮社 1,870
家族の味 平野レミ ポプラ社 1,540
土偶を読む 130年間解かれなかった縄文神話の謎 竹倉史人 晶文社 1,870

週刊ポスト:(今週は休刊)

週刊現代:(今週は休刊)

週刊エコノミスト:7/27・8/3号 8冊
つながり続ける こども食堂 湯浅誠 中央公論新社 1,760
サピエンスの未来 伝説の東大講義 立花隆 講談社現代新書 1,430
成田空港の隣に世界一の街を造る男 栁瀨公孝 白秋社 1,540
保身 積水ハウス、クーデターの深層 藤岡雅 角川書店 2,090
日本の農村 農村社会学に見る東西南北 細谷昂 ちくま新書 1,034
落合博満 ねじめ正一 集英社新書 902
ミドリムシ博士の超・起業思考 ユーグレナ最強の研究者が語る世界の変え方 鈴木健日経BP 1,650
下剋上 黒田基樹 講談社現代新書 968

週刊東洋経済:7/24号 9冊
大崎事件と私~アヤ子と祐美の40年 鴨志田祐美 LABO 2,970
日本 戦争経済史 戦費、通貨金融政策、国際比較 小野圭司 日本経済新聞出版 4,950
「ポスト・アメリカニズム」の世紀 転換期のキリスト教文明 藤本龍児 筑摩選書 1,980
清六の戦争 ある従軍記者の軌跡 伊藤絵理子 毎日新聞出版 1,650
偉い人ほどすぐ逃げる 武田砂鉄 文藝春秋 1,760
イーロン・マスク 次の標的 「IoBビジネス」とは何か 浜田和幸 祥伝社新書 924
宗教と過激思想-現代の信仰と社会に何が起きているか 藤原聖子 中公新書 946
糖尿病の真実 なぜ患者は増え続けるのか 水野雅登 光文社新書 990
挑発する少女小説 斎藤美奈子 河出新書 946

 

全米図書賞の柳美里作「JR上野駅公園口」を読みました

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柳美里の小説を初めて読む。

2020年の全米図書賞の翻訳部門で、柳美里の「JR上野駅公園口」( "Tokyo Ueno Station"モーガン・ジャイルズ翻訳)が受賞したことがきっかけで、この受賞作を読むことにした。

昨日7月23日は東京オリンピックの開会式だったが、昨日本作の最後の方を読んでいて1964年の東京オリンピックの開会式のシーンが出てきた。57年の時空を超えてピンポイントで奇しくも同じ東京での開会式のシーンが重なったことにギクッとした。

東京五輪の競技会場の工事現場で働いていた主人公の回想シーンで、昭和天皇が「第十八回近代オリンピアードを祝い」開催宣言をするのだった。

福島県からの出稼ぎで東京に出てきてそのまま上野でホームレスになった主人公は、1933年・昭和8年生まれで、現上皇と同じ年に生まれた。そして主人公の長男は、浩宮今上天皇)と同じ年(昭和35年)に生まれたので浩宮にちなんで「浩一」と命名される。天皇家と主人公一家の父子4人はそれぞれ同年なのだった。

その長男浩一の不幸をはじめ、主人公には何一つ幸せな出来事は起こらない小説で、柳美里は重いうつ状態でこの作品を書き上げたという。寝転んだままスマホで河出書房の「文藝」掲載のために書いたそうだ。

上野公園で寝泊まりしているホームレスたちに彼らが「山狩り」と呼ぶお触れが出る。皇室関係者が上野の美術館などお出ましになるので、公園内から立ち去らなければならないのだった。皇室から一字頂いた名前の息子を持つ自分も「山狩り」に遭わなければならないのだった。

英語に訳された本書は、現代のアメリカ人にしたらどこか別の星の物語のように感じたのではないだろうか。

江戸時代に富山や新潟から相馬に移住してきた浄土真宗門徒たちが、かの地でまるで異教徒のように暮らしてきた歴史は、移民の国アメリカでは受け入れやすいエピソードかもしれないが、日本の近代化までの過程のなかで不幸のどん底にあった主人公の人生に親近感を感じるのだろうか。またJR上野駅とその周辺が、近代化の窓口的存在だったこととは別に、アメリカ人には不思議で特別な場所に映ったように想像できる。

全米図書賞の翻訳部門で受賞の瞬間に涙した翻訳者のモーガン・ジャイルズ。彼女の涙の半分は受賞の喜びによるものだったと思うが、残りの半分は相馬に移住した柳美里と彼女が生み出した相馬生まれの主人公に敬意を表したものだったかもしれない。

何一つ楽しいことがない絶望の物語なのになぜか哀しくないのが不思議なのだが、詩的でみずみずしくてしっとりとした文体と、作品の土台と骨組みがしっかりしているからだろう。これが文学の力なのか。私から遠い地の入口と出口である相馬や浪江や上野などの古くからの暮らしにも興味を持ったし、「皇室とホームレス」の対比も巧みに表現されている。

この作品を書き上げたころのうつ状態から抜けきれたようで、柳美里は以前よりずっと溌剌でさわやかに感じる。きっと、相馬に移り住んで書店を始めたせいだと思われる。

 

映画「蜘蛛の巣を払う女」とスティーグ・ラーソンの「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」

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Netflixで映画「蜘蛛の巣を払う女」を見ました。

いまは亡きスティーグ・ラーソンの小説で、世界的なベストセラーとなった「ミレニアム」シリーズ(3部作)を引き継いだスウェーデンの作家ダヴィド・ラーゲルクランツの原作の映画化作品だったようです。

娯楽性に富んだスリリングな楽しい映画でした。主人公リスベットの駆るバイクがカワサキ製からドゥカティに変わってしまいましたが、2時間に満たない作品ですし、テレビやゲームに飽きたら涼しい部屋でお楽しみください。冬のスウェーデンが舞台の夏向きの作品です。

「ミレニアム」シリーズは1から3までをスティーグ・ラーソンが遺し、その後ダヴィド・ラーゲルクランツが『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』、『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』、『ミレニアム6 死すべき女』を書き上げたようです。

スティーグ・ラーソンが亡くなってミレニアムシリーズは私のなかでは3作で終わっていましたが、ダヴィド・ラーゲルクランツがその後のリスベットとミカエルの調査記録物語を紡いでいるようです。

ということで、私の過去記事から「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」の読書記事をここに再掲載します。小説もすこぶる楽しい出来であります。

 

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ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上・下)

スティーグ・ラーソン  (ハヤカワ・ミステリ文庫)

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、ある大物実業家の違法行為を暴く記事を発表した。

だがその記事が名誉毀損にあたるとして有罪になり、彼は『ミレニアム』から離れた。

そんな折り、大企業グループの前会長ヘンリックから依頼を受ける。およそ40年前、彼の一族が住む孤島で兄の孫娘ハリエットが失踪した事件を調査してほしいというのだ。

その調査結果次第で、名誉棄損で敗訴した例の大物実業家を破滅させる証拠を渡すという条件を提示されたのだった。ミカエルは受諾し、困難な調査を開始する。

ドラゴン・タトゥーの女」の字面だけのイメージは犯罪者だったのだが、ドラゴン・タトゥーの女ことリスベット・サランデルは犯罪捜査に取り組む、カワサキのバイクを駆る超腕利きの調査員であった。

ミステリーはさまざまなジャンルがあるが、本作「ミレニアム1」は、「犯人は誰だ」がテーマの、犯人探しの本格推理小説にジャンル分けされよう。

ヘンリックという前会長から依頼されて、スウェーデンの同族大企業グループの秘密を探るのが、経済雑誌発行責任者のミカエル。
地道な捜査活動だけを淡々と描写するだけでは退屈なので、作者スティーグ・ラーソンは、ミカエルの周辺に複数の女性を配置して、物語に楽しい変化をつけてくれる。
その女性陣のひとりが、ドラゴン・タトゥーを背負った若きリスベットで、最終的には、40歳過ぎの主人公ミカエルと、「謎解き犯人探し」を成し遂げるのである。

本流となる、迷宮入りの事件捜査のほかに、リスベットの私生活を描いたストーリの支流も、すこぶる面白い。
また、本流の事件が解決した後も、さらにページ数が残されていて、そこから、ミカエルは再びリスベットと組んで、名誉毀損で敗訴したある大物実業家の違法行為を暴くために、全身全霊を傾ける。

エンターテイメント・ラインが何本も通っていて、その一本一本に手抜きがなく、さすがは全世界で楽しまれたベスト・セラー、徹頭徹尾楽しませてくれるのである。

登場人物は多いのだが、主要人物は限られていて、その一人一人の人物造形が、単調でなく浅くもなく荒唐無稽でもなく、よく考え抜かれていて楽しい。

リスベットとミカエル、彼らふたりの活躍譚は、当然に次回作にも引き継がれるのである。

 

伊東若冲の作品がついに国宝に指定されました

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伊東若冲の作品がはじめて国宝に指定されました。

《今回、国宝に指定するよう答申されたのは、かつて皇室が所有し、現在は三の丸尚蔵館が収蔵する5件で、高階隆兼《絹本著色春日権現験記絵》(二十巻)、紙本著色蒙古襲来絵詞(二巻)、狩野永徳《唐獅子図》(一隻)、伊藤若冲動植綵絵》(三十幅)、小野道風《屛風土代》(一巻)。》

伊東若冲の作品がポピュラーになったのは15年くらい前だったでしょうか、その頃にはジョー・プライスなどの蒐集家により多くの若冲作品は海外に流失してしまっていました。ですから若冲人気は、アメリカからの逆輸入現象でした。

家業を弟に譲り、40歳で独学による画家を目指した若冲は、相国寺(しょうこくじ)で中国画などの模写にふけりました。

独自の精神と画法による作品群は、狩野派などの保守本流路線からはみ出た異端に属するものでした。

いまでいえば「表現の不自由展」に出品するような、アヴァンギャルドな作家だったかもしれません。なので、国宝指定が遅れたのでしょう。

このたび国宝指定されるのは、動植綵絵(三十幅)」で、私はこの三十幅が相国寺に120年ぶりに里帰りした2007年の展覧会でこれらと出会っています。

そして、本日から国立九州博物館での特別展「皇室の名宝」展で、若冲の「動植綵絵」十二幅(六幅ずつ展示替え有り)が展示されるようです。お近くの方は、ソーシャルディスタンスにお気をつけてぜひお出かけください。

今週 書評で取り上げられた本(7/12~7/18 週刊10誌&朝日新聞)全119 冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品いえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

 第165回直木賞を受賞したのが佐藤究の「テスカトリポカ」と澤田瞳子の「星落ちて、なお」。

テスカトリポカ」の選考をめぐっては、選考過程で激論が交わされたようで、いまのところ名前は分かりませんが男の委員(複数?)から反対意見が出たそうです。こんな犯罪を描いた小説に賞を授けていいのかと、小さいことを言っていたようです。

それに比べて女性の委員は「面白いからいいじゃない」「オジンには書けない溌溂とした作品だわ」と言ったかどうかは分かりませんが「テスカトリポカ」を推す態度を示したようです。

ちなみに直木賞の選考委員は、浅田次郎伊集院静角田光代北方謙三桐野夏生高村薫林真理子三浦しをん宮部みゆき。女性委員は強烈なお歴々が揃っていてすごいメンバー構成だと思います。

テスカトリポカ」、ぜひ読んでみたいと思っています。

今週の書評本媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

朝日新聞:7月17日 29冊
テスカトリポカ 佐藤究 KADOKAWA 2,310
ニホンザルの生態 河合雅雄 河出書房新社 古書
人類進化のかくれ里 河合雅雄 平凡社 古書
少年動物誌 河合雅雄、平山英三 福音館文庫 770
スターリン 独裁者の新たなる伝記 オレーク・V・フレヴニューク 白水社 5,060
沖縄平和ネットワーク 大島和典の 歩く 見る 考える沖縄 大島和典 高文研 1,760
種から種へ 命つながるお野菜の一生 鈴木純 雷鳥社 2,640
うさことば辞典 グラフィック社編集部, 森山標子 グラフィック社 1,540
哲学の女王たち もうひとつの思想史入門 レベッカ・バクストン, リサ・ホワイティング 晶文社 2,200
チャイニーズ・タイプライター 漢字と技術の近代史 トーマス・S・マラニ中央公論新社 4,950
映画評論家への逆襲 荒井晴彦, 森達也, 白石和彌, 井上淳一 小学館新書 990
琥珀の夏 辻村深月 文藝春秋 1,980
黄春明選集 溺死した老猫 黄春明 法政大学出版局 2,860
野生のごちそう 手つかずの食材を探す旅 ジーナ・レイ・ラ・サーヴァ 亜紀書房 2,420
拠るべなき時代に 後藤正治 ブレーンセンター 2,420
犬もどき読書日記 石山蓮華 晶文社 1,650
ハルコロ (1・2) 石坂啓, 本多勝一 岩波現代文庫 各1,430
イングランドイングランド ジュリアン・バーンズ 東京創元社 1,430
通訳者たちの見た戦後史 月面着陸から大学入試まで 鳥飼玖美子 新潮文庫 781
大地の建築 アンサンブル・スタジオ アントン・ガルシア=アブリル、デボラ・メサ TOTO出版 3,300
10代のための読書地図 本の雑誌編集部 本の雑誌社 1,980
早く絶版になってほしい #駄言辞典 日経xwoman (編集) 日経BP 1,540
しあわせは食べて寝て待て 1 水凪トリ 秋田書店 748
ディズニーとチャップリン エンタメビジネスを生んだ巨人 大野裕之 光文社新書 990
カラー版-やってみよう! 車中泊 大橋保之 中央公論新社 1,210
みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT 遠藤まめた ちくまプリマー新書 902
陶芸は生きがいになる 林寧彦 新潮新書 836
サボる哲学 労働の未来から逃散せよ 栗原康 NHK出版新書 1,023
智恵子抄 高村光太郎 新潮文庫 473

週刊新潮:7/22号 14冊
沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う 山舩晃太郎 新潮社 1,595
インドラネット 桐野夏生 KADOKAWA 1,980
星影さやかに 古内一絵 文藝春秋 1,870
清六の戦争 ある従軍記者の軌跡 伊藤絵理子 毎日新聞出版 1,650
私たちはこうしてゼロから挑戦した 在日中国人14 人の成功物語 趙海成 アルファベータブックス 1,980
平成怪奇小説傑作集 全三巻 東雅夫・編 創元推理文庫 各1,430
件 もの言う牛 田中啓文 講談社文庫 902
数学独習法 冨島佑 講談社現代新書 1,100
母ちゃんのフラフープ 田村淳 ブックマン社 1,540
DIVE!!(上・下) 森絵都 角川文庫 各704
ニッポンのおじさん 鈴木涼美 KADOKAWA 1,650
どこからか言葉が 谷川俊太郎 朝日新聞出版 1,650
百間、まだ死なざるや-内田百間 山本一生 中央公論新社 3,960
むずかしい天皇 大澤真幸, 木村草太 晶文社 1,980

女性セブン:7/29,8/5号 4冊
保身 積水ハウス、クーデターの深層 藤岡雅 角川書店 2,090
古くて素敵なクラシック・レコードたち 村上春樹 文藝春秋 2,530
対岸の家事 朱野帰子 講談社文庫 924
小学館の図鑑NEO 深海生物 DVDつき 藤原義弘 小学館 2,200

週刊文春:7/22号 14冊
最終飛行 佐藤賢一 文藝春秋 2,200
黒牢城 米澤穂信 KADOKAWA 1,760
方向音痴って、なおるんですか? 吉玉サキ 交通新聞社 1,540
四元館の殺人 探偵AIのリアル・ディープラーニング 早坂吝 新潮文庫nex 693
インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナ 皆川博子 早川書房 2,310
74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる ミツコ すばる舎 1,430
ブレイクニュース 薬丸岳 集英社 1,980
壊れた脳と生きる 鈴木大介, 鈴木匡子 ちくまプリマー新書 1,012
移動迷宮 中国史SF短篇集 大恵和実(編)ほか 中央公論新社 2,200
しあわせの哲学 西研 NHK出版 737
アンオーソドックス デボラ・フェルドマン 辰巳出版 1,980
ヘヴィ あるアメリカ人の回想録 キエセ・レイモン 里山社 3,190
ルート66を聴く アメリカン・ロード・ソングは何を歌っているのか 朝日順子 青土社 1,980
骨を撫でる 三国美千子 新潮社 1,980

女性自身:7/27,8/3号 4冊
琥珀の夏 辻村深月 文藝春秋 1,980
ナナメの夕暮れ 若林正恭 文藝春秋 1,320
天才IT相オードリー・タンの母に聴く、 子どもを伸ばす接し方 李雅卿 KADOKAWA 1,870
声の在りか 寺地はるな KADOKAWA 1,760

サンデー毎日:7/25号 11冊
我が産声を聞きに 白石一文 講談社 1,815
姉の島 村田喜代子 朝日新聞出版 1,980
なぜ妻は「手伝う」と怒るのか 妻と夫の溝を埋める54のヒント 佐光紀子 平凡社新書 946
パンデミック日記 「新潮」編集部 新潮社 1,980
古くて素敵なクラシック・レコードたち 村上春樹 文藝春秋 2,530
草のみずみずしさ 〔感情と自然の文化史〕 アラン・コルバン 藤原書店 2,970
百間、まだ死なざるや-内田百間 山本一生 中央公論新社 3,960
貧民の帝都 塩見鮮一郎 河出文庫 891
明治の説得王・末松謙澄 言葉で日露戦争を勝利に導いた男 山口謠司 インターナショナル新書 968
あえるよ! 山と森の動物たち 今泉忠明 朝日新聞出版社 1,628
地獄の田舎暮らし 柴田剛 ポプラ新書 946

週刊朝日:7/23号 6冊
さよならテレビ ドキュメンタリーを撮るということ 阿武野勝彦 平凡社新書 1,210
一度きりの大泉の話 萩尾望都 河出書房新社 1,980
震えたのは 岩崎航 ナナロク社 1,870
森林で日本は蘇る 林業の瓦解を食い止めよ 白井裕子 新潮新書 792
14歳の自分に伝えたい「お金の話」 藤野英人 マガジンハウス 1,500
アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記 渡辺雅史 ワニブックス 1,100

週刊ポスト:7/30・8/6号 10冊
原因において自由な物語 五十嵐律人 講談社 1,815
牧師、閉鎖病棟に入る。 沼田和也 実業之日本社 1,430
サラ金の歴史 消費者金融と日本社会 小島庸平 中公新書 980
ブレイクニュース 薬丸岳 集英社 1,980
ブラック・チェンバー・ミュージック 阿部和重 毎日新聞出版 2,200
スピリチュアルズ 「わたし」の謎 橘玲 幻冬舎 1,870
ハレルヤ! 重松清 新潮文庫 737
夏を取り戻す 岡崎琢磨 創元推理文庫 968
シン・エヴァンゲリオン 藤田直哉 河出新書 968
信長に学ぶ経営分析 利益率・資本・生産性 西澤健次 星海社新書 1,188

週刊現代:7/24号 7冊
世阿弥最後の華 藤沢周 河出書房新社 2,200
零の晩夏 岩井俊二 文藝春秋 1,980
野球が好きすぎて 東川篤哉 実業之日本社 1,760
室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界 清水克行 新潮社 1,540
ようこそ地獄、奇妙な地獄 星瑞穂 朝日選書 1,870
天使と嘘(上・下) マイケル・ロボサム ハヤカワミステリ文庫 各1,210
時の他に敵なし マイクル・ビショップ 竹書房文庫 1,540

週刊エコノミスト:7/20号 10冊
14歳の自分に伝えたい「お金の話」 藤野英人 マガジンハウス 1,500
「ポスト・アメリカニズム」の世紀 転換期のキリスト教文明 藤本龍児 筑摩選書 1,980
うつでも起業で生きていく 林直人 河出書房新社 1,562
中国のCASE革命 2035年のモビリティ未来図 湯 進 日本経済新聞出版 2,200
幽霊消防団員 日本のアンタッチャブル 高橋祐貴 光文社新書 880
人間ベートーヴェン 恋愛と病にみる不屈の精神 石川栄作 平凡社新書 990
海のアトリエ 堀川理万子 偕成社 1,540
王者の成功占術 工学博士が見つけた才能を開花させる方法 篠田法正 自由国民社 1,540
報道記録 新型コロナウィルス感染症 読売新聞東京本社調査研究本部 2,200
歌舞伎町コロナ戦記 羽田翔 飛鳥新社 1,650

週刊東洋経済:7/17号 10冊
どのアメリカ? 矛盾と均衡の大国 阿川尚之 ミネルヴァ書房 2,860
バブルの経済理論 低金利、長期停滞、金融劣化 櫻川昌哉 日本経済新聞出版 4,950
新世紀のコミュニズムへ 資本主義の内からの脱出 大澤真幸 NHK出版新書 968
教養としてのギリシャ・ローマ 名門コロンビア大学で学んだリベラルアーツの真髄 中村聡東洋経済新報社 1,980
完本 仏像のひみつ 山本勉, 川口澄子 朝日出版社 2,090
経理から見た日本陸軍 本間正人 文春新書 1,320
膨張GAFAとの闘い デジタル敗戦 霞が関は何をしたのか 若江雅子 中公新書ラクレ 990
チャリティの帝国 もうひとつのイギリス近現代史 金澤周作 岩波新書 946
日本人の愛国 マーティン・ファクラー 角川新書 946
明治の説得王・末松謙澄 言葉で日露戦争を勝利に導いた男 山口謠司 インターナショナル新書 968

今週 書評で取り上げられた本(7/5~7/11 週刊10誌&朝日新聞+ダ・ヴィンチ)全110冊

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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。

 今週の書評本媒体タイトル・著者・出版社・税込価格)

朝日新聞:7月10日 19冊
小説8050 林真理子 新潮社 1,980
空がおしえてくれること 蓬莱大介 幻冬舎 1,540
雲を愛する技術 荒木健太郎 光文社新書 1,320
雨のことば辞典 倉嶋厚 , 原田稔 講談社学術文庫 1,034
イサム・ノグチの空間芸術 危機の時代のデザイン 松木裕美 淡交社 2,970
偉い人ほどすぐ逃げる 武田砂鉄 文藝春秋 1,760
キリンの保育園 タンザニアでみつめた彼らの仔育て 齋藤美保 京都大学学術出版会 2,420
宗教と過激思想-現代の信仰と社会に何が起きているか 藤原聖子 中公新書 946
昆虫学者の目のツケドコロ 井手竜也 ベレ出版 2,090
大人も知らない ふしぎ現象事典 「ふしぎ現象」研究会 編 マイクロマガジン社 1,100
とことん解説 人体と健康 ビジュアル ホルモンのはたらき パーフェクトガイド キャサリン・ウイットロックほか 日経ナショナルジオグラフィック社 2,750
シブヤで目覚めて アンナ・ツィマ 河出書房新社 2,970
インドラネット 桐野夏生 KADOKAWA 1,980
方向音痴って、なおるんですか? 吉玉サキ 交通新聞社 1,540
アンチレイシストであるためには イブラム・X・ケンディ 辰巳出版 2,420
英文学者 坪内逍遙 亀井俊介 松柏社 2,750
沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち 藤井誠二 集英社文庫 990
消された信仰 「最後のかくれキリシタン」長崎・生月島の人々 広野真嗣 小学館文庫 726
堤清二 罪と業最後の「告白」 児玉博 文春文庫 770

週刊新潮:7/15号 15冊
仕事と人生 西川善文 講談社現代新書 990
国史SF短篇集 移動迷宮 大恵和実ほか 中央公論新社 2,200
ヒトコブラクダ層ぜっと(上・下) 万城目学 幻冬舎 1,980
シェフたちのコロナ禍 道なき道をゆく三十四人の記録 井川直子 文藝春秋 2,090
ラーメン女王への道 アイドルから店主への創業奮闘記 梅澤愛優香 さくら舎 1,650
女が死ぬ 松田青子 中公文庫 726
ドレス 藤野可織 河出文庫 935
殺人出産 村田沙耶香 講談社文庫 660
ゲッチョ先生と行く 沖縄自然探検 盛口満 岩波ジュニア新書 1,012
料理の意味とその手立て ウー・ウェン タブレ 2,530
オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉 沢木耕太郎 新潮文庫 825
ツボちゃんの話 夫・坪内祐三 佐久間文子 新潮社 1,870
歌うように伝えたい 人生を中断した私の再生と希望 塩見三省 角川春樹事務所 1,870
ウディ・アレン追放 猿渡由紀 文藝春秋 1,760
シルクロード~流沙に消えた西域三十六か国 中村清次 新潮新書 792

女性セブン:7/22号 4冊
老いの福袋 あっぱれ! ころばぬ先の知恵88 樋口恵子 中央公論新社 1,540
ぼくのお父さん 矢部太郎 新潮社 1,265
今読みたい 太宰治私小説 太宰治 小学館文庫 770
本当に君は総理大臣になれないのか 小川淳也、中原一歩 講談社現代新書 924

週刊文春:7/15号 12冊
台北プライベートアイ 紀蔚然 文藝春秋 1,980
にぎやかな落日 朝倉かすみ 光文社 1,760
チャリティの帝国 もうひとつのイギリス近現代史 金澤周作 岩波新書 946
天使と嘘(上・下) マイケル・ロボサム ハヤカワミステリ文庫 各1,210
運命の証人 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫 1,320
「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。 藤𠮷豊, 小川 真理子 日経BP 1,650
さよならテレビ 阿武野勝彦 平凡社新書 1,210
ショローの女 伊藤比呂美 中央公論新社 1,650
怒れる老人 あなたにもある老害因子 安藤俊介 産業編集センター 1,430
闇の盾 政界・警察・芸能界の守り神と呼ばれた男 寺尾文孝 講談社 1,980
臨床の砦 夏川草介 小学館 1,650
「利他」とは何か 中島岳志, 若松英輔, 國分功一郎, 磯崎憲一郎 , 伊藤亜紗 集英社新書 924

女性自身:7/20号 4冊
黒牢城 米澤穂信 KADOKAWA 1,760
シンプルなクローゼットが地球を救う ファッション革命実践ガイド エリザベス・L・クライン 春秋社 1,980
インドラネット 桐野夏生 KADOKAWA 1,980
父ちゃんの料理教室 辻仁成 大和書房 1,650

サンデー毎日:7/18号 11冊
つながり続ける こども食堂 湯浅誠 中央公論新社 1,760
完本 仏像のひみつ 山本勉, 川口澄子 朝日出版社 2,090
うん古典 うんこで読み解く日本の歴史 大塚ひかり 新潮社 1,705
終活の準備はお済みですか? 桂望実 角川書店 1,760
へんこつ 谷 治宇 角川春樹事務所 1,980
十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの 小倉孝保 角川書店 2,420
キネマの天使 メロドラマの日 赤川次郎 講談社 1,815
ボロ家の春秋 梅崎春生 中公文庫 990
戦国の村を行く 藤木久志 朝日新書 979
9条の戦後史 加藤典洋 ちくま新書 1,430
小林秀雄の眼 江藤淳 中央公論新社 1,430

週刊朝日:7/16号 6冊
我は、おばさん 岡田育 集英社 1,760
シャムのサムライ 山田長政 幡大介 実業之日本社 2,640
ヘイトをとめるレッスン ホン ソンス, ス シンジ ころから株式会社 2,420
サバイバルする皮膚 傳田光洋 河出新書 946
わたしは銭湯ペンキ絵師 田中みずき 秀明大学出版会 1,320
女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白 中村淳彦 宝島社新書 990

週刊ポスト:7/16・7/23号 10冊
仮面 伊岡瞬 KADOKAWA 1,925
ウディ・アレン追放 猿渡由紀 文藝春秋 1,760
ディズニーとチャップリン エンタメビジネスを生んだ巨人 大野裕之 光文社新書 990
ヒトコブラクダ層ぜっと(上・下) 万城目学 幻冬舎 1,980
海神の子 川越宗一 文藝春秋 1,760
室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界 清水克行 新潮社 1,540
緑のなかで 椰月美智子 光文社文庫 835
絵金、闇を塗る 木下昌輝 集英社文庫 814
京成はなぜ「国内最速」になれたのか 草町義和 交通新聞社新書 990
下剋上 黒田基樹 講談社現代新書 968

週刊現代:7/10・7/17号 10冊
ブラック・チェンバー・ミュージック 阿部和重 毎日新聞出版 2,200
JAGAE 織田信長伝奇行 夢枕獏 祥伝社 2,200
神の悪手 芦沢央 新潮社 1,760
異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む 中野京子 NHK出版新書 1,320
アースダイバー 神社編 中沢新一 講談社 2,420
狼たちの城 アレックス・ベール 扶桑社ミステリー 1,320
人新世の「資本論 斎藤幸平 集英社新書 1,122
ヘンリー王子とメーガン妃 英国王室 家族の真実 亀甲博行 文春新書 990
王室と不敬罪 プミポン国王とタイの混迷 岩佐淳士 文春新書 1,012
眞子内親王の危険な選択 安積明子 ビジネス社 1,430

週刊エコノミスト:7/13号 8冊
権威主義の誘惑 民主政治の黄昏 アン・アプルボーム 白水社 2,420
絵と図でわかる AIと社会 未来をひらく技術とのかかわり方 江間有沙 技術評論社 2,200
リニア中央新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから 山本義隆 みすず書房 1,980
彭明敏 蔣介石と闘った台湾人 近藤伸二 白水社 2,750
パッケージツアーの文化誌 吉田春生 草思社 2,420
経理から見た日本陸軍 本間正人 文春新書 1,320
ダイオウイカvs.マッコウクジラ 図説・深海の怪物たち 北村雄一 ちくま新書 902
犬と歩けばワンダフル 密着!猟犬猟師の春夏秋冬 北尾トロ 集英社 1,760

週刊東洋経済:7/10号 10冊
牧師、閉鎖病棟に入る。 沼田和也 実業之日本社 1,430
マイケル・ジェンセンとアメリ中産階級の解体 ニコラス・レマン 日経BP 3,080
さまよえるハプスブルク 捕虜たちが見た帝国の崩壊 大津留厚 岩波書店 2,750
菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案 渡邉格 , 渡邉麻里子 ミシマ社 1,980
黒牢城 米澤穂信 KADOKAWA 1,760
NEO HUMAN ネオ・ヒューマン 究極の自由を得る未来 ピーター・スコット・モーガン 東洋経済新報社 1,870
ある北朝鮮テロリストの生と死 証言・ラングーン事件 羅 鍾一 集英社新書 968
捨てられる男たち 劣化した「男社会」の裏で起きていること 奥田祥子 SB新書 1,089
世界と日本の地理の謎を解く 水野一晴 PHP新書 1,045
植物のいのち-からだを守り、子孫につなぐ驚きのしくみ 田中修 中公新書 946

ダ・ヴィンチ 今月の絶対はずさない!プラチナ本
8月号 アンソーシャル ディスタンス 金原ひとみ 新潮社 1,870