しあわせの径~本とアートと音楽と

読書、アート、音楽、映画・ドラマ・スポーツなどについてさくっと語ります

「ペーパー・ハウス」シーズン5まですべて見終わりました

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2021年6月に見終わったNETFLIX「ペーパー・ハウス」(1~4シーズン全31話)。

引き続いて、2021年9月に配信されたシーズン5のパート1(全5話)と、12月に配信されたシーズン5のパート2(全5話)を全話見終わりました。

「ペーパー・ハウス」シリーズは、NETFLIXで配信された英語以外のドラマでは最大ヒットだった(その後「イカゲーム」が記録を更新?)ことだけあって、確かによく考えられた面白い構成で私たちを楽しませてくれました。

ストーリーには触れませんが、全シリーズは大きく分けて2部構成で成り立っていて、前半はスペイン王造幣局での現金強奪シリーズで、後半はスペイン(中央)銀行での金塊奪取作戦になります。いずれも、同じメンバー構成の赤いつなぎを着た10人余りの主人公たちが作戦に参加します。

全シーズン通して41話もあるのですが、各エピソードは40~50分で「作戦」の行く末がどうなるかというドラマの流れがスリリングですので、メリハリがあって時間の経過を忘れます。NHK大河ドラマのように退屈ではありません(観てないから知りませんが)。

ということで、足掛け4年の撮影期間だったようですが、主人公たちのパフォーマンスを生かした大作戦をゲーム感覚で楽しめました。おすすめのシリーズです。

 

大阪市中之島の至宝・図書館、中央公会堂、バラ園、東洋陶磁美術館

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上の瀟洒な内観は、大阪府中之島図書館で、どなたかがTwitterでアップされていました。

この図書館の開館は1904年だそうで、ネオ・バロック様式の壮麗な外観もみごとな建築物です。

この建物のお隣の、1913年に建てられた大阪市中央公会堂も、荘厳なたたずまいで私たちを迎えてくれます。

5月には近くの中之島公園のバラ園で89品種4千株の花が咲き誇り、宝石箱をひっくり返したような絢爛な色彩を放ってくれます。

さらに、中央公会堂の東に面する大阪市立東洋陶磁美術館の世界第一級品のコレクションが穏やかな時間をもたらしてくれます。(改修のため2022年2月7日~2023年秋まで休館)

いつか大阪に来られたら、中之島にぜひ足を運んでいただきたいと存じます、良いところです。

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大阪府中之島図書館(外観)

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大阪市中之島公会堂

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東洋陶磁美術館蔵所蔵 国宝「油滴天目 茶碗(ゆてきてんもくちゃわん)」

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東洋陶磁美術館蔵所蔵 国宝「飛青磁 花生(とびせいじ はないけ)」

茨木のり子「自分の感受性くらい」

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ツイッターで知ったNHKのWEB特集。

www3.nhk.or.jp

 

その特集で知った、まっすぐに心に届く 茨木のり子のことばとして紹介された一編の詩。

 

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

茨木のり子「自分の感受性くらい」

 

この「自分の感受性くらい」という詩に初めて触れました。
茨木のり子という詩人のことも、きょうまで名前以外は知りませんでした。

ぴしゃりと胸を打たれました。

 

2021年に読んだおすすめ本ベスト6

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2018年から続けてきました、私の読んだ本の中からおすすめ本のご紹介。

例によって、読んだ冊数が少ないので、ノンフィクションとフィクションそれぞれ3冊の推薦です。ただし、今年は読んだフィクションがどれもよかったので4冊を挙げ、ノンフィクションを2冊に絞りました。例によって20冊程度の読書量でしたが、どの本もとても楽しくて充実した時間を持てました。

2020年に読んだおすすめ本ベスト6

〇ノンフィクション(読了順)
「海をあげる」 上間陽子
「自分で名付ける」 松田青子

〇フィクション(読了順)
「パチンコ (上・下)」 ミン・ジン リー
「JR上野駅公園口」 柳美里
「泡」 松家仁之
「テスカトリポカ」 佐藤究


2021年私の読んだ本は以下の通りです。(読了順)印は、ぜひお勧めしたい1冊です。
フィクション
グレート・ギャツビー」を追え (単行本)ジョン・グリシャム
パチンコ (上・下) ミン・ジン リー
推し、燃ゆ 宇佐見りん
八月の銀の雪 伊与原 新
日没 桐野 夏生
心淋し川 (集英社文芸単行本) 西條奈加
JR上野駅公園口 柳 美里
マルチの子 (文芸書) 西尾潤
ロンドン謎解き結婚相談所 (創元推理文庫) アリスン・モントクレア
泡 松家 仁之
テスカトリポカ (角川書店単行本) 佐藤 究

ノンフィクション、エッセイ
藤井聡太のいる時代 朝日新聞将棋取材班
海をあげる (単行本) 上間 陽子
決定版-HONZが選んだノンフィクション 成毛 眞
考えて、考えて、考える 藤井 聡太,丹羽 宇一郎
岸惠子自伝 岸 惠子
自分で名付ける 松田青子
ぼくのおとうさん  矢部太郎

 

2020年に読んだおすすめ本ベスト6
〇ノンフィクション(読了順)
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」ブレイディ みかこ
「あやうく一生懸命生きるところだった」ハ・ワン
「猫を棄てる 父親について語るとき」村上 春樹

〇フィクション(読了順)
「黄金列車」佐藤 亜紀
「こちらあみ子 」今村 夏子
首里の馬」高山羽根子

2019年に読んだおすすめ本ベスト6
〇ノンフィクション(読了順)
「箱根0区を駆ける者たち」佐藤 俊
「私が食べた本」村田沙耶香
「ウチら棺桶まで永遠のランウェイ」kemio

〇フィクション(読了順)
「地球星人」村田 沙耶香
「夢見る帝国図書館」中島 京子
「土に贖う」河崎 秋子

2018年に読んだおすすめ本ベスト6
〇ノンフィクション(読了順)
「SHOE DOG(シュードッグ)」フィル・ナイト
「24歳の僕が、オバマ大統領のスピーチライターに?!」デビッド・リット
「牛を屠る」佐川光晴

〇フィクション(読了順)
百年泥石井遊佳
コンビニ人間」村田 沙耶香
「TIMELESS」朝吹真理子

寅・トラ(2022年の干支)のイラスト集

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来年の干支の寅(トラ)のイラストをネットで集め出したのが2か月ほど前。

筆まめで年賀状の文面を作るためにイラストを集めるのですが、その文面が完成したのが今です。(宛先も印刷できました!)

集めたイラストをそのまま借用すればいいものを、そのイラストをモチーフにアクリル絵の具で自分のデザイン画を描くことをして2年目。

どのイラストをモチーフにしようかと思案して、絵を描いて、色が濃いとか薄いとか試行錯誤を重ねて、挨拶文字を重ねてようやく完成したのでした。

採用しなかった、おしゃれだったり、カワイかったり精悍な虎のイラストをここに貼り付けておきます。

私は、ここに保存しておいて覚えていたら12年後に使うことにします。

 

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矢部太郎の「ぼくのお父さん」でデトックス

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ぼくのお父さん  矢部太郎  (著)   新潮社

「大家さんと僕」「大家さんと僕 これから」に続く矢部太郎の「ぼくのお父さん」を読んだ。

芸人で漫画家の矢部太郎の父親は、絵本作家のやべみつのりだった。

太郎の家族は、両親と姉の4人家族。やさしくて少し変わり者のお父さんは、「大家さんと僕」の大家さんほどキャラは立っていないし、経済的な豊かさを家庭にもたらさなかったようだけど、太郎は父親の愛情をたっぷりと受け取れた子どもだった。

近所の子どもたちにも太郎と同じように接したところも、立派な父親なのだった。

矢部太郎M-1の決勝戦には遠かった芸人だったろうけど、父と暮らした太郎の眼は澄んでいて、毒もほとんどない。これは父親の影響があると本書を読んで確かめられる。

やべみつのりの絵本は読んだことはないが、太郎のような作家の作品になかなかお目にかからなくて、年に一度は矢部太郎で心が洗われる。デトックス効果がある。

 

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