しあわせの径~本とアートと音楽と

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ウサチャンも喜んでいます、羽生善治九段1500勝達成!

将棋の羽生善治九段が、公式戦通算1500勝を達成しました!おめでとう。

羽生善治九段(51歳)が6月16日(木)に関西将棋会館で行われた第81期順位戦B級1組1回戦(対 山崎隆之八段)に勝ち、公式戦通算1500勝を達成しました。羽生九段の1500勝は将棋界初の快挙で、四段昇段後36年5カ月、51歳8カ月での達成となります。

羽生善治九段 通算成績(2022年6月16日現在)
対局数    勝数    負数    勝率
 2156    1500    654    0.696
(将棋連盟HPより)

羽生善治が1500勝を達成した局後の感想戦で、盤側にいた女性記者に穏やかな表情で丁寧に戦いの軌跡を説明している姿を見て、人間らしく丸くなったなと思いました。

まだ現役で、永世七冠(7つのタイトルの永世称号)を持っている人でなければ持ちえない余裕というか貫禄が垣間見えました。

彼はあとタイトルを一つ獲れば、通算100期のタイトル獲得に達するのですが、昨日の勝利後のインタビューで「現状は挑戦者にまで手が届かない実力」だと謙遜気味に答えていました。羽生自身は、それほどのこだわりを持っていないようにも見えます。

現在行われている棋聖戦(藤井棋聖vs永瀬王座)の15日の第二局(藤井棋聖がすごい勝ち方をした)のことを「高度な戦いだった」と求められていないのにコメントをして、ことほどさように自分には大変な棋界になっていることを正直に認めているのも、彼の実績があってのことだと思います。

羽生がかつて、googleディープラーニング(AI)の開発者と通訳なしで英語で対談していたのをNHKのドキュメンタリーで見て驚いたことがあります。彼がチェスの実力者だと知ってもそりゃそうだろうと思うのですが、AIの専門家と英語で話せるのには感心しました。

また少し前に気付いたことなのですが、女流の対局の解説者を務めている羽生を見て、これまた感心しました。対局で忙しくもなく将棋連盟の役員でもないので時間的余裕(経済的余裕もかなりなはず)はあるとはいえ、出来る範囲で将棋界への貢献を果たしていて立派だと思いました。

羽生は、弟子がいないことでも珍しい棋士ですが「弟子を一人とってしまうと大変なことになるので...」という理由も大きくうなずけます。羽生を師匠に持ちたいと思わない棋士の卵はいないでしょうから、断るのに大変なことになると思いますからね。

若い頃は、ギンギンに突っ張っていた感があった羽生ですが、もう彼の勝利数は今後減ることはないですし、彼のここまでの足跡はあらゆる点において申し分のないところです。51歳の今から、将棋界のみならず日本の文化全般に貢献できる人格が備わった人だと思います。

現在の囲碁や将棋の棋士たちは、井山裕太四冠や渡辺明名人や藤井聡太五冠などなど、みな有能で礼儀正しくて立派な人が多いことも、羽生善治存在と無関係ではないと思います。

羽生さんちのウサチャンたち