しあわせの径~本とアートと音楽と

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藤井聡太竜王・名人が竜王を防衛し4連覇を達成しました

昨日から指宿で行われていた将棋の37第期竜王戦7番勝負第6局は、藤井竜王(22)が佐々木勇気八段(30)を下し、シリーズの対戦成績を4勝2敗とし竜王4連覇を達成し七冠を堅持しました。

第6局は、先手番の佐々木優勢のペースで進められ、藤井が1日目の午後にはかなり苦しい場面(勝率評価値佐々木65%vs藤井35%)にまで追い込まれた形となり、これは3勝3敗のフルセットになるかもと思っていましたが、1日目の終了直前に佐々木の疑問手が出て形勢はわずかに藤井優勢(勝率55%)で1日目を終えました。

藤井のわずかなリードとはいえ、疑問手1手で形勢が一気に逆転したダメージは、佐々木に大きくのしかかった形で、対局後のインタビューで昨夜は後悔の一夜だったと明かしていました。

それを表象するように、朝対局室に入室した佐々木は藤井の入室を待つ間に正座を崩して胡坐になり、用意されたペットボトルの水を飲み憔悴しているように見えました。タイトル戦でそのような対局者を見るのは初めてで、藤井ファンの私としても心配をしてしまいました。

わずかのリードを徐々に広げた藤井が、一時はドッキリするような評価値になりつつ積極的な将棋を繰り広げ、両者とも持ち時間を残して午後3時30分ころの早い終局となりました。

今シリーズは6局すべてにおいて、バリエーションの異なった戦法の将棋となり、佐々木の善戦となったシリーズでしたが、今後の挑戦者へのヒントになるような佐々木の戦い方になったように思いますので、「藤井一強の時代がいつまで続くのか」という目の離せない楽しい将棋界の様相を呈してきたようにも思います。

藤井は、これで通算タイトル獲得を26期とし、歴代5位の谷川浩司17世名人(62)の27期にあと1期に迫りました。まだ大学4年生の年齢で、大変なキャリアを積んでいることになります。

今年のタイトル戦のスケジュールは全て終わり、藤井は年明け1月11日から第74期王将戦永瀬拓矢九段(32)を挑戦者に迎えることになります。