しあわせの径~本とアートと音楽と

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永遠の月が描かれた広重の永遠の名画「木曾海道六拾九次 洗馬」

上は島根県立美術館所蔵の歌川広重が描いた「木曾海道六拾九次 洗馬(せば)」です。

江戸・日本橋と京・三条大橋を結ぶ中山道の69カ所の宿場、出発地点の日本橋の合計70枚で構成されている広重により描かれた「木曽海道六十九次」。

コレクションは版画ですから各地に所蔵されていますが、この島根の「洗馬」の新庄コレクションの摺りの色合いは、電子画像で見る限り私のお気に入りです。実物は未見ですが、これは透き通るようなきれいな摺りで、長閑で美しい風景に相応しい透明感です。

解説には《木曾の原野を流れる奈良井川、そこに浮かぶ柴舟と筏を、中天にかかる満月が照らしています。画面上辺の墨のぼかしが次第に迫りくる夜の気配を漂わせ、たなびく雲のような淡藍と紅の重なりが、日没直後の地平線に残る夕陽の余韻を見事に捉えています。柳の葉や薄を揺らす秋風まで感じさせる、日本風景版画史上の傑作と評される作品です。》とあります。

中秋の名月を描いたものでしょうが、前景の美しさに目を奪われていると月が脇役になってしまいますが、そこが広重の奥ゆかしさのような気がします。

5月には奈良井宿を訪れましたが、洗馬は奈良井から3つ離れた宿場で、いまも豊かな自然が広がっているところなのでしょう。

ところで、松江には何度か行きましたし玉造温泉に宿をとったこともありますが、不覚にも島根県立美術館に立ち寄ったことがありません。

小泉八雲夫妻をNHKの朝ドラ「ばけばけ」は、松江が舞台ですが、「島根県はインバウンド滞在・宿泊数で、47位。つまりは日本最低」だと鴻上尚史のXポストで知り驚きました。

確かに関西からでもなかなかアクセスが悪いところですから、インバウンドが滞在しにくいところではあります。ですから、国内旅行のお時間が取れる方なら島根県は観光地としておすすめのところです。私は車で3回くらい行きましたが、もう一度ゆっくり訪れたいと思っています。

また、木曽路にも再訪したいと思っています。

ということで、きょう10月6日は2025年の中秋の名月が各地で見られることと存じますが、永遠の名月が描かれた名画のご紹介でした。

 

www.shimane-art-museum.jp