MLBで1シーズン50本以上本塁打を打った選手が所属するのが「50本塁打クラブ」。
50本以上打った選手は1920年のベーブ・ルースからはじまり2024年で32人を数えます。10人が複数回達成していますので、のべ50人が達成し、50人目の達成者が今年の大谷翔平でした。
以下のyoutubeは2年前の掛布と江川の「大谷談」なのですが、掛布の大谷が50本を達成する予測は当たりましたが、その際に制約される条件をクリアしての大谷の50本達成ですから、2024年のMLBは大谷シーズンでありました。
本塁打50本-盗塁50個を達成したのは、本塁打54本-盗塁59個を達成した2024年の大谷のみで、史上初の快挙でありました。
今年の大谷の打率はリーグ2位の.310でした。本塁打王と打点王でしたから、三冠王にはほんの一歩届かなかったのですが、3割バッターが両リーグ合わせてわずか7人だったことを鑑みると、まことに素晴らしい打撃成績でありました。
さて、シーズン「本塁打30-盗塁30-打率.300」を達成すれば「トリプル3」と称えられますが、大谷は「本塁打54本-盗塁59個-打率.310」をぺろりと達成してしまいました。
小泉進次郎的に言うと、意外に知られていないことなんですけど、ホームランを打つとそのあとの盗塁は絶対にできないんですよね。
ということは、本塁打を打てば打つほど盗塁のチャンスはゼロになってしまう状況での本塁打54本-盗塁59個はすごいことなんです。
なので、大谷が盗塁をするチャンスは143本のヒットと81個の四球と6個のデッドボールで塁に出たときの230回に限定されますから、その条件下での59盗塁(盗塁失敗は4)は素晴らしい記録です。
さらに言うと、大谷は二塁打38本、三塁打7本を打っていますから、三盗やホームスチールが二盗よりかなり難しいことを考慮するとその際の盗塁のチャンスもかなり少なくなりますから、「長打率の高い選手が盗塁数を伸ばすことはとても難しい」というのも、これ意外に知られていないことなんです(二度目の小泉進次郎でした)。
ということで、大谷翔平のMVPは確実ではありますが、個人記録はさておいて、ポストシーズンでの日本選手の活躍と所属チームの勝利を祈るばかりであります。
「50本塁打クラブ」一覧表
選手 本塁打数 達成年 通算本塁打数
ベーブ・ルース (1) 54 1920年 714
ベーブ・ルース (2) 59 1921年
ベーブ・ルース (3) 60 1927年
ベーブ・ルース (4) 54 1928年
ハック・ウィルソン 56 1930年 244
ジミー・フォックス (1) 58 1932年 534
ジミー・フォックス (2) 50 1938年
ハンク・グリーンバーグ 58 1938年 331
ジョニー・マイズ 51 1947年 359
ラルフ・カイナー (1) 51 1947年 369
ラルフ・カイナー (2) 54 1949年
ウィリー・メイズ (1) 51 1955年 660
ミッキー・マントル (1) 52 1956年 536
ミッキー・マントル (2) 54 1961年
ロジャー・マリス 61 1961年 275
ウィリー・メイズ (2) 52 1965年
ジョージ・フォスター 52 1977年 348
セシル・フィルダー 51 1990年 357
アルバート・ベル 50 1995年 381
ブレイディ・アンダーソン 50 1996年 210
マーク・マグワイア (1) 52 1996年 583
ケン・グリフィー・ジュニア (1) 56 1997年 630
マーク・マグワイア (2) 58 1997年
グレッグ・ボーン 50 1998年 355
ケン・グリフィー・ジュニア (2) 56 1998年
サミー・ソーサ (1) 66 1998年 609
マーク・マグワイア (3) 70 1998年
サミー・ソーサ (2) 63 1999年
マーク・マグワイア (4) 65 1999年
サミー・ソーサ (3) 50 2000年
アレックス・ロドリゲス (1) 52 2001年 696
ルイス・ゴンザレス 57 2001年 354
サミー・ソーサ (4) 64 2001年
バリー・ボンズ 73 2001年 762
ジム・トーミ 52 2002年 612
アレックス・ロドリゲス (2) 57 2002年
アンドリュー・ジョーンズ 51 2005年 484
ライアン・ハワード 58 2006年 382
デビッド・オルティーズ 54 2006年 541
アレックス・ロドリゲス (3) 54 2007年
プリンス・フィルダー 50 2007年 319
ホセ・バティスタ 54 2010年 344
クリス・デービス 53 2013年 295
ジャンカルロ・スタントン 59 2017年 402
アーロン・ジャッジ(1) 52 2017年 257
ピート・アロンソ 53 2019年 192
アーロン・ジャッジ (2) 62 2022年
マット・オルソン 54 2023年 230
アーロン・ジャッジ (3) 58 2024年
大谷翔平 54 2024年 222