富士フイルムのCM「お正月を写そう」シリーズは、1966年に始まったCMで、年が明けると58年の歴史を誇ることになる、知らない人がいないCMです。
「お正月を写そう」のあの歌は、「黒の舟唄」などでも有名な桜井順(1934-2021)が作曲したそうですが、いま聴いても斬新な趣のあるフレーズだと思います。
さてその「お正月を写そう」CMに、藤井聡太(21)八冠と羽生善治(53)将棋連盟会長がおそろいで出演しました。
2人が出演したのは「お正月を写そう♪2024 チェキ」という新春CMで、和服姿の将棋界の2人のスターは、新年に相応しいキャラクターです。藤井八冠のセリフが棒読みなところが初々しいですw
本職の将棋では、藤井八冠は「銀河戦」という棋戦で決勝で元名人の丸山忠久(53)九段に苦杯をなめましたが、今年度4月以降の勝敗が33勝6敗で年を越えることになりました。トップ中のトップに居て今年度の勝率の途中経過が0.846というのは、とんでもない数値であります。
先日(23日)は、公式戦ではありませんが「将棋オールスター 東西対抗戦」では、藤井八冠と羽生九段が対局し、藤井八冠が貫録勝ちしたようです。
また、その東西対抗戦の最終対局で、藤井・豊島チームvs羽生・渡辺チームによるリレー将棋が行われましたが、藤井・豊島チームが「振り飛車」戦法を採用して将棋ファンを楽しませました。
藤井八冠は、公式戦でも非公式戦でも、プロデビュー以降「振り飛車」を指したことはないのですが、すでに自軍の関西チームが勝利を決めていたのでいたからか、おちゃめな「振り飛車」作戦を選んで会場を沸かせたようでした。
豊島九段と事前に「振り飛車」作戦を決めて対局室に入った藤井八冠は、笑いをこらえるのにかなり苦労していたようすがとても可笑しくて、彼のほほえましい人間性が出ている動画になっていました。一方、実際に飛車を振った豊島九段の堂々としたポーカーフェイスにも、感心した次第です。
結局、慣れない戦法を採った藤井・豊島チームが百戦錬磨の羽生・渡辺チームに敗れました。
さて、年明け早々1月7日から、王将戦の防衛戦が始まります。
対戦相手は菅井竜也(31)八段。菅井は今期の春に行われた叡王戦に続く藤井八冠への挑戦となります。藤井は菅井には何度も負けていますので、与しやすい相手ではないと思いますので熱戦が期待されます。
また、2月から始まる棋王戦の挑戦者に伊藤匠(21)七段が名乗りを上げました。
伊藤も、秋の竜王戦に続く今期2度目のタイトル戦で藤井棋王に挑むことになりました。伊藤はまだ公式戦で藤井に勝ったことがありませんので、巻き返しを図ってくるはずですので、これもいまから楽しみです。
ということで、将棋界は藤井と伊藤匠の二強時代に入ってくるのか、当面は藤井無双時代が続くのか、来年も楽しくなりそうな将棋界であります。