オリジナルの楽曲があって、それをカバーするアーティストがいて、本家はどちらなのか議論は分かれるところでしょうが、実はどちらも素敵で、好きな方を楽しめばいいと思います。
ということで、私のプレイリストのなかから、そんな楽曲の本家とカバー&アレンジ曲を、レコードリリースされた年も含めて適当にご紹介してみます。
まずは、サラ・ヴォーンの歌う「ラバーズ・コンチェルト」(1966年)とその原曲、バッハのメヌエット。
サラ・ボーンはジャズシンガーですが、このポピュラーな曲が日本では最もお馴染みでしょう。半世紀前から、サラのこのシングル盤をよく聴いていました。
若きスティービー・ワンダーのヒット曲「太陽のあたる場所 A Place In the Sun」(1966年)、私は先にエンゲルベルト・フンパーディンクで知りました。なので、英語の歌詞を見ながらフンパーディンクのように歌っていましたが、スティービーの軽やかな歌にも心打たれました。どちらが歌う歌も好きです。
つぎは、ハンクウィリアムズの「ジャンバラヤ」(1952年)。カントリーのスタンダード曲ですが、日本で有名にしたのはカーペンターズでした。
私はレコード店でバイト中でしたが、この曲が入っているアルバム「ナウ・アンド・ゼン」(1973年)は、ほんとにめちゃくちゃ売れました。
もう一曲カーペンターズのヒットソングで「ア・ソング・フォー・ユー」(1972年)。
レオン・ラッセルのオリジナルは、1970年にリリースされましたが、私が知ったのはその10年後くらいでしょうか。このレオン・ラッセルの歌唱は絶品だと思います。
「悲しき願い Don't Let Me Be Misunderstood」(1965年)というヒット曲は、日本では尾藤イサオが日本語の歌詞で歌っていました。その後、高校生の頃に本家のアニマルズの曲を初めて聞きました。
シンディー・ローパーの枯れた大人の歌唱も素晴らしい。
●Cyndi Lauper - Don't Let Me Be Misunderstood
「ミスター・ボージャングルス」というニッティ・グリッティ・ダートバンドの大ヒット曲(これ自体もカバー曲)は1970年のリリースでした。
多くのミュージシャンがカバーしていますが、高倉健がお気に入りだったニーナ・シモンのカバーが素晴らしいもので、私の何種類かのプレイリストに入れています。
「恋するデビー」(1977年)、この邦題はいただけませんが、デビー・ブーンの"You Light Up My Life"はとてもいい楽曲です。それが証拠に、アレサ・フランクリンもカバーしています。
「ラストダンスは私に」(1961年)は、越路吹雪が歌うのでなんとなくシャンソンのような味があるのですが、原曲はThe Driftersの”Save the last dance for me ”(1960年)です。日本の歌詞は岩谷時子がつけていますが、越路との岩谷の黄金コンビの相乗効果は後世に残る素晴らしいものであります。
最後にご紹介するのは「サマータイム」です。1935年製作の映画「ポギーとベス」で歌われたジョージ・ガーシュインの名曲です。映画ではソプラノ歌手がオペラの調で歌っています。この名曲のカバーは星の数ほどありますが、ご紹介はエラ・フィッツジェラルドの歌。
若いころ、ジャズ喫茶のHIFI機器で聴いたエラの数々の歌は衝撃的でした。