しあわせの径~本とアートと音楽と

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西山朋佳がプロ棋士編入試験に挑戦→将棋界初の女性棋士誕生か

 

ドナルド・トランプ前大統領の暗殺未遂事件をめぐり、シークレットサービスのキム・チートル長官が23日、警備上の失敗を理由に辞任しましたが、マッチョな組織の長官が女性だったのが意外でした。チートル長官は、シークレットサービスで初めての女性長官ではなかったようで、さすがはアメリカの公的機関だと感心しました。

残るところ「女性の大統領」というポストだけが、アメリカの歴史上まだ埋まっていないパズルの最後のピースのようです。まあそれも今年中に埋まると思われます。

ところで女性の地位がまだまだ確立されていない日本。日本のジェンダーギャップ順位は、146か国中118位(2024.6.12発表)というとんでもない順位で、戦後80年になろうとしますがいまだにその面では発展途上国の一群にも及ばない情けない状況が続いています。

ここから本題ですが、日本将棋連盟は今年100周年を迎えます。

また、1612年に徳川家康に任ぜられた初代大橋宗桂の時代からプロ棋士による将棋の歴史は400年以上を数えますが、いまに至って女性の棋士が誕生していません。とはいっても、これは恣意性が働かない勝ち負けの世界のことで、いわゆるガラスの天井とは無関係です。

しかし、日本将棋連盟は25日、女流棋士西山朋佳女流三冠(白玲・女王・女流王将=29)の棋士編入試験受験申し込みを受理したと発表しました。

西山は7月4日に行われた公式戦で勝利し、プロ棋士編入試験を受験する資格を取得しました。

その将棋に勝った直後のインタビューで、西山は編入試験に挑戦すること脇らかにしていて、この度正式に連盟に申請をしたことのようです。

棋士編入試験は規定により申請受理月の2カ月後から開始、1カ月に1対局(最大5局)となります。編入試験の試験官(西山と実際に対局をするプロ棋士)は新四段5人を棋士番号順に選出(高橋佑二郎四段、山川泰熙四段、上野裕寿四段、宮嶋健太四段、柵木幹太四段)し対戦します。西山は3勝すれば合格となります。

2022年には、里見香奈(現在は福間香奈)が資格を得て編入試験に挑みましたが、残念ながら3連敗となり不合格となりました。女性としては西山が史上2人目の挑戦者となります。

過去にこの制度で合格してプロ棋士になったのは、今泉健司五段(51)と折田翔吾五段(34)、それに小山怜央四段(31)の3人です。

西山は奨励会三段リーグ時代に、14勝4敗でトップに並んで4段昇級(プロ棋士)確実の成績を残したのですが、あいにく同じ勝敗数で上位に2人がいたため、次点扱いとして涙を呑みました。なので、西山自身も編入試験を受ける意思表示をしたインタビューで、「奨励会での14勝4敗の記録を誇りに編入試験に挑む」という決意表明をしていました。

ちなみに、藤井聡太奨励会三段リーグを一期で通過しましたが、戦績は13勝5敗でした。その時の藤井は、最終戦で西山に勝利して13勝5敗の成績でプロ棋士に昇級したのでした。

ということで、里見の時も同じ思いで応援していたのですが、西山には今度こそ女性初のプロ棋士の誕生を実現してもらいたいと願っています。ガンバレ西山!